巨大迷宮と学園攻略科の魔術師 (4) (電撃文庫)

【巨大迷宮と学園攻略科の魔術師 4】 樹戸英斗/玲衣 電撃文庫

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林檎たちより平行世界の存在について知らされた維留のもとに、行方不明だった姉、友麻からの使者が訪れる。織姫と一緒に友麻と再会した維留は、巨大迷宮ゼラの真相へと迫る。そして同時期に発見された、ゼラの地上部へ通じているとされる“最後の空洞”ラストマウンテン。学園のギルド連合も攻略に乗り出す中、維留はヤエケンや紗夜香、リオや直樹たちと合流し、最後の迷宮攻略へと向かう。友麻とその仲間の協力もあり、ラストマウンテンの出口、地上部へとたどり着いた維留たち。そこで待ち受けていたものとは―。リアル学園RPGストーリー完結編!
おおっ、思いの外綺麗に広げた大風呂敷畳んだなあ。惑星ゼラの謎、壮大過ぎて果たして収拾がつくのか、と危惧していて、実際この四巻で多分予定よりも短く〆る事になったと思うんだけれど、作品の根幹部分を担う謎については、放置すること無く全部まるっと明かしてみせてくれましたからね。打ち切りと言わずとも予定していた巻数に満たずに終わることになってしまった作品は、どうしても消化不良感が残る終わり方になってしまうものが多いだけに、こうしてスッキリ終われた、ということは完結に至る筋道を事前にきっちり構築していたという事でもありますから、構成もしっかりしていたんでしょう。
でもやっぱり予定を消化できない部分はどうしてもあって、色々とエピソードに載せられなかったネタらしきものも散見できますし、例えば維留が自分の中に封印された魔神と友情が生じるまで仲良くなれなかったり、生徒の置かれたいつ死んでもおかしくない環境についても、初期の容赦無い部分から後半は突き詰められたかというと、いささか妥協が伺えたり、とうまく行ってないであろう所も見受けられたのですが、うん、それでもトータルとして見たら非常に魅力的な世界観とキャラクターたちで、もう少しじっくり堪能していきたかった、というのが本当のところですねえ。尖った個性たっぷりのギルドの多彩さについては、かなり凄いものがありましたし。魔法オンリーではなく、サイボーグ研究会というのがあるように全身サイボーグ化したマシーナリーが居たり、自立型の大型搭乗兵器作ってる男の子のロボット魂を擽るような同好会もあったり、少女大佐親衛隊とか青山幕府とか一見色物なのに超絶実力派というギルドがあったり、と凄いカオスなんですけれど、このごった煮感って古くからあるマンモス学園モノの要素がギュッと詰まっているような側面もあって、ダンジョン攻略にも関わらず学園という要素を取り込んだのを、実に面白い方向に活かしていた作品だったように思います。何だかんだと、攻略者たちはライバルでありながら、同じ学校の学友であり戦友である、という意識が根付いていたのも、ラストのどんどん主人公たちのチームへの支援の輪が広がり、勝手に味方としてみんなが立ち上がって戦いに参加してくる展開なんか、学園モノだったからこそ、の流れでしたもんね。
エピローグでの、同窓会めいた集まりなんかも尚更にそんな感じで、味わい深い雰囲気でした。もうちょっと続いて欲しかったけれど、見事に綺麗に締めてくれた良作でした。

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