コートボニー教授の永続魔石 (オーバーラップ文庫)

【コートボニー教授の永続魔石】 桜山うす/フルーツパンチ オーバーラップ文庫

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「よろしい。さっそく設計してみせるのだ、スービ・キュージット」
冒険に欠かせないアイテム収納ボックス、全方位カメラ、空を飛ぶ船――これらの発明をたった1人で成し遂げる男がいたとしたら?
彼こそスービ・キュージット。大学10年生、憲兵局の法改正を強いた回数4回、異常なネコミミ偏愛者にして、魔法学界の奇跡。
そんな彼はある日、100年先の技術を持つコートボニー教授と出会う。
スービは魔力の永久機関といわれる“永続魔石"を彼女と共に探すことになるのだが――。
これは大発明家の若き日の物語。
第1回オーバーラップ文庫大賞“金賞"受賞作、ついに登場!
これはなあ……新人作品でしか書けないような無分別に書き散らした作品ですねえ。これが作風として確立できるなら需要が出てきてもいいかもしれないけれど、どうも確固とした自分の中の基準があってこういうとっ散らかったスタイルにした、という風情でもなさそうだし。小説として、物語としての連続性が中盤辺りから適当にほっぽり出されてるんですよね、これ。なんでこれ、いきなりビックリは発明とか頻発しだすのかしら。永続魔石はどこいった。まさか面倒くさくなった、とは思わないけれど、後半に行くほど内容がとっ散らかっていき、つまみ食いみたいに書きたいものを好きなようにぎゅーぎゅー詰め込んでいく形式は、一種の妙味を感じるものの、一方でお話としての目標を見失ったというか無視したというか興味も関心も失ったみたいな無軌道さは、まあやらかしたもんである。そしてとってつけたような、ようやく最後に見つけた宝箱の中に、「これまで頑張ってきた君の努力、仲間たちとの絆こそが最大の宝物だよ」と書かれた紙切れ一つ、なごとき結論はなかなかろくでもなかった。ろくでもなさが素敵、と思うかどうかは人それぞれか。純真にその内容に感銘を受ける人もいるかもしれない。うむむ。
これが一旦魔工制作に夢中になると、他のこと全部放り出して掛り切りになってしまう人間失格なろくでなし、スービ・キュージット氏の手記という形式であるなら、この集中している部分と適当な部分が露骨なくらいに浮き彫りになってしまっている書き散らしっぷりは、見事に彼らしさを表しているとしてさもありなんと受け入れるべきなのか。
面白いっちゃ面白く感じたんだけれどさ、なんか無責任で居られる他人ごとだからこそ笑っていられる感じなんですよね。これ、面白く感じていい部分なのかしら。芸ならあとあと引っ張れるんだろうけれど、事故なら後始末大変よ?
じゃあきちんとまとめろ、というと途端につまらんものに成り果ててしまいそうな感覚もひしひしと感じるわけで、難しいバランスよね。
コートボニー教授が小人マスコットかわいいというのは正義。そして、彼女が人妻であるというのは革新。……時代である。時代の要求を先取りしてるのか、それとも過去から取り戻しているのか。人妻もロリな時代の到来である。