たまふ!  多磨大学附属超能力科 (オーバーラップ文庫)

【たまふ! 多磨大学附属超能力科】 大場規勝/クロノミツキ オーバーラップ文庫

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国立東京多磨大学附属中学・高等学校。通称『たまふ』。この高校では「特別進学科」に超能力者が集められ、国家が管理しているという噂があった。オレは、そんな都市伝説を確かめるために、この学校に入学した。このことはオレの人生にとってすごく重要なことだと思っているのだ。だが、調査を始めたオレはある女子生徒と知り合うことになる。
「き、君には……。オレが見えてる……の?」
「見えるわよ。 ……透明人間さん! 」
普通じゃない能力を持った少年少女達による、超能力スクールライフが始まる。
くっ、主人公モテモテじゃないか。いや、モテモテの主人公なんかそこらじゅうに幾らでもいるのだけれど、この主人公・相葉隆臣は自分が好意を持たれた事についてはちゃんと自覚的で、仲良くなった女の子と仲良くすることについて積極的なんですよね。普通……うん、これは年頃の男の子としては普通の反応なのかもしれない。ライトなオープンエロで、明らかに軟派な兄ちゃんなんですけどね、この隆臣くんは。うん、でも軟派ではあっても軽薄ではなく女の子の気持ちを明るくする軽さで、女の子に対して凄く紳士で頼りになる男前なんで、モテるのはとても理解出来る。
ともあれ、男の子の側からも女の子の側からも積極的に親密になろうとしたら、当然のように傍目にはイチャついているようにしか見えません。うん、これだけスムーズに出会いから意気投合してまんざらでもない関係になり、トントン拍子でイチャイチャしだす主人公とヒロインは意外と見ませんて。
これがそのまま直行でお付き合いを始めるに至らなかったのは、ごくごく単純に……相手のヒロインが一人ではなく二人居たからなのでしょう。いや、早川冴子とも打ち解けて以降、いつも三人一緒で殆ど三人でお付き合い、みたいな状態なんですけどね。なんという羨ましい三角関係。サイコメトラーである為に対人恐怖症じみた状態になって他人を拒絶していた冴子は、躊躇なく自分に触れてきてくれて、常に自分を隠さずさらけ出して付き合ってくれる隆臣の事も、心を偽らずにポンポン本音で語ってくれて、本心から自分を受け入れてくれた麻衣子の事も好きで好きでたまらない、という完全に蕩け切った状態で、麻衣子の方も透視能力の持ち主ということで友達に対してもずっと一定の心の距離を感じていたところに、その内側に入ってきてくれた隆臣と冴子に対してはデレきってる部分が強いので、女の子同士が恋敵に成り得なくて、三人共が三人一緒が心地よいという状態に。それでいて、異性としての関係にもそれぞれ結構積極的なもんだから、ギスギスした所がない甘々な友達以上恋人未満な三角関係が成立してるんですよね。
麻衣子と冴子がそれぞれ抱えてきた問題や事件を、隆臣が男前な感じで解決にかかったお陰で、信頼もマックスまで上昇してますしね。普通、これだけエロい事を隠さない男が透明人間になる能力なんて持ってたら、色々と疑いそうなものなんだけれど、この二人は一切そういう胡乱な目で彼を見なかった事も、隆臣が躊躇なく二人の為に献身的に働いた理由になるのか。いずれにしても、主人公サイドからもヒロインサイドからも、お互いが好きになる要素がはっきりしているものだから、まあ甘酸っぱくなるのも仕方ないよね。
こういうご馳走様と言いたくなる三角関係は、うん、大好物です。個人的には、この三人で完成されているので、主人公モテるのはわかるんだけれど、これ以上ヒロインは増えてほしくはないかなあ。