スレイヤーズ 25周年あんそろじー (富士見ファンタジア文庫)

【スレイヤーズ 25周年あんそろじー】 神坂一、秋田 禎信,橘 公司,愛七 ひろ,日日日,初美 陽一/あらいずみるい 富士見ファンタジア文庫

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ファンタジー小説の金字塔『スレイヤーズ』刊行25周年を記念して、『スレイヤーズ』を愛してやまない作家陣が贈るアンソロジーが登場だ!原作者・神坂一はもちろん、秋田禎信や日日日、さらに『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』の愛七ひろ、『ライジン×ライジン』の初美陽一、『デート・ア・ライブ』の橘公司ら豪華作家陣が書く特別短編、そして豪華イラストレーター陣の描く特別イラストも収録!『スレイヤーズ』を長年応援してくれたファンへの感謝を込めた1冊。読んでくんないと、暴れちゃうぞ!
もう25年にもなるのか、スレイヤーズ。そりゃあ、私も歳取るよなあ。うん、懐かしい。懐かしいけれど、こうして振り返ってみると未だに色褪せない世界観なんですよね。ライトノベル史を遡っていっても、確かにこの作品がターニングポイントであり、今のライトノベルの原型を担ってる。この頃はまだライトノベルという言葉は浸透してなかったんだったか。でも、ファンタジー小説ってここまでやっていいんだ、という枠組みをぶっ壊すようなブレイクスルーを、後になって気がつくじゃなくて、その当時リアルタイムで感じさせる衝撃作だったんですよね。
これ、ゲームバランスは崩壊してるだろう、と読みながら常々思ってはいましたけれど。魔族強すぎw(笑

【ゼフィーリアの悪魔】 秋田禎信
リナ=インバースが故郷を飛び出し旅に出る前の、私塾にかよっている頃のお話。どうしても秋田さんが書くと、牙の塔を連想してしまうのだけれど、そもそもリナに集団生活とか学校生活とか端から無理だよね、というのでいささか現実感に欠けるお話でもある。いやでも、リナってそこまで無法者じゃないと思うよ。スイッチオンの時とオフの時の差は激しいけれど、外面ぐらいは繕えるよ。まあ、あっさりプッツン来て校舎の1つ2つは日常的に吹き飛ぶだろうけど。


【ミリアンヌの肌】 日日日
この人の作品って、何年かぶりに読んだけれど、今はこんな風なのか。って、別に変わったとかは思わないけれど。魔族が実に魔族らしく悪魔的であり、ダークで排他的で退廃的なハードボイルド路線というと、やはりゼルガディスが似合うのだろう。実のところ、こういうダーク路線って神坂さんの好きな方向性でもあるんですよね。スレイヤーズってお気楽コメディみたいなイメージついているけれど、結構えげつないネタ放り込んでくるし、そもそも神坂さんの作品ってグロの入った救いがなかったり人死がわりと多かったりする路線の作品昔はかなりあったので、馴染むといえば馴染む。


【リナ=インバース討伐!】 愛七ひろ
これに出てくるミリエラとかバロンは、すぺしゃるでも後期のキャラなのかしら。さすがにこのあたりになると、もう読んでなかったから、キャラクターとか知らないのが多いけど、リナ=自然災害レベルの取り扱いがなされてるあたりは、実にすぺしゃるらしくてよろしい。
それにしても、ドラグ・スレイブの詠唱懐かしいなあ。まだ全部覚えてるぞw


【呪術遺跡の偽愛戦争(ラグナロク)】 初美陽一
ミリアンヌの肌のゼルガディスと同じ人物なのか、というくらいキャラが壊れているゼルガディスw 本編のゼルは一応クールさをあんまり崩さなかったので、むしろアニメ版ゼルガディスっぽいかもしれない。アニメ版の影響はバカにならないものがあります。あれはあれで傑作だったからなあ。ゼルやアメリアのイメージはむしろアニメサイドの方で固定されちゃってるかもしれない。
ともあれ、リナとゼルでのカップリングというのはやはり違和感があって、偽装とはいえ馴染めんかった。
コメディとしての脚本の品質では一番良かったようにも思うけれど。


【冥王(ヘルマスター)フィブリゾの世界滅ぼし会議】 橘公司
この人が自重しないで好き勝手やると、こうなるという例題w
いやでも、今回のアンソロの中では一番おもしろかった、というのは救いがあるのかないのか。スレイヤーズの裏本編でもあったあとがきのノリをそのまま持ち込んだ、シャブラニグドゥの五大幹部たちによるすちゃらかメタ会議。フィブリゾさん、キャラ壊れてる壊れてるw ゼラス=メタリオムとかダルフィンとか、何気に初見な気がするんだが。ちょろっと顔見せくらいで出てたっけ? さすが破滅好きの魔族だけあって、ディスり合いの激しいこと激しいこと。もはや、disり愛というレベルで。
でも、実際カオティックブルーとかデスフォックの世界もきっちり描いて、世界連結したら相当に壮大な物語が出来上がって盛り上がったと思うんだけれどなあ。ダークスターのあれは、ちらっとかいま見えただけでも興奮しましたし。その分、直接関連ないよみたいなコメントが出た時はがっかりしたんですよね。はっきり繋げてた方が面白かったと思うんだけどなあ、もったいない。


【スレイヤーズいんたーみっしょん リナ=インバースの記録】 神坂一
本家本元の神坂さんによるスレイヤーズ。おお、これぞスレイヤーズという安定感。ゼルとアメリアが加わって、ゼロスの導きで旅してる頃のお話か。やっぱり、この頃がスレイヤーズ本編の最盛期だったんかなあ。
でも、若干アメリアがアニメ版寄りになってるようにみえるのは気のせいだろうか。
特に益体もなく飯食いながらいつもの無駄会話に勤しんでいるシーンなんだけれど、懐かしいといえば懐かしいし、物足りないといえば物足りないか。もうちょっと動きあったら嬉しかったんだけれど。本当にグダグダ騒いでるだけだもんなあ。いつもどおりなんだろうけど。


こうしてみると、ゼルガディスの参加率の高さが目立つ。6作中3編に登場、しかも一作は主人公ですもんね。やっぱり人気あるんだなあ、ゼル。
まあでも、何となく無難な作品が多かったのも確か。橘さんくらいはっちゃけろとは言わないけれど、せっかくなんだからもっと遊んでも良かったんじゃないかな。日日日さんはその点、独自路線貫いてたか。