アルティメット・アンチヒーロー2 妖精女王と百万の敵 (講談社ラノベ文庫)

【アルティメット・アンチヒーロー 2.妖精女王と百万の敵】 海空りく/Nardack 講談社ラノベ文庫

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神代焔は神すら従える大魔術師でありながら、とある事情により一学生として新東京魔術学園の実習小隊に配属されていた。ある日、任務中に現れた悪魔を倒したところ、クラスメイトのちこりが一人の少女を拾ってきた。彼女は自らを『妖精族』の女王エルフィーナと名乗り、人間界への移住を求めて交渉に来たらしい。――この世界に悪魔が現れるようになってから一世紀。人類が初めて魔界の住人と敵意のない交流をもった最初の瞬間である。しかし、当然ながら人類とエルフィーナとの交渉はうまくいかない。そこで焔がとった手とは……!? いずれ救世主と全ての人間に讃えられる少年が紡ぐ、敵も味方も誰一人ついて行けない常勝無敵ファンタジー第二弾!
人類側の指導者たちが、政治家とかいう以前にただのチンピラヤクザなんですがw
いや、前巻で連中がろくでなしのゲス野郎だというのは嫌というほどわかってたんですけれど、いくらなんでも品性下劣すぎるでしょう。考え方がヤクザやマフィアだの以前の問題で、頭の悪い不良レベルなんですよね。
とにかく言葉をしゃべるだけでも不快、息をしてるだけで怒りを感じてしまうようなクズ野郎たちなので、彼らにある程度でも好きにさせてしまう焔のやり方というのは、どれだけ彼が無敵に近い力を持っていても、いやだからこそか、痛快さよりもストレスが溜まっちゃうんですよね。彼のスケールというのは、本当に常識レベルをはるかにぶっちぎっていて、その振り切り様は実に面白い。オーストラリアさんに謝れ、というレベルのリアル地球が大ピンチ(物理)な暴れっぷりは、もう思わず笑っちゃうほどで、いったいどこまでやってしまうのか、という果てしなさには素直にワクワクさせられるのだけれど、だからこそ、だからこそストレスたまっちゃうんですよ。
ぶっちゃけ、彼にぶっ倒してもらいたいのは、泣かせて悲鳴をあげさせて生きてることを後悔させてぶちのめして欲しい、勧善懲悪の悪として倒されて欲しいのは、むしろ魔王なんかよりもあの人間たちの方なわけですよ。なのに、なんで焔は連中に好きにさせるのか。彼が人間という種に慮っているのは理解できるんですけれど、その人間種に配慮する基準をあの指導者連中に据え置くというのは、腹に据えかねるものがあるんですよね。そいつらに慮ることが、人間社会に慮ることとは違うだろう、と。焔が邪悪なる神々を使役する存在として恐怖されるのは、それはそれで仕方ないのでしょう。でも、怖がられ嫌われ憎まれるのなら、それに相応しい振る舞いをちょっとはしてもいいんじゃないでしょうか。どうも、彼は対等に接するべき相手を間違えている気がしますし、それが故に侮られて舐められてしまっている気がします。それが彼一人にだけ負債となってかかるなら、それは彼自身の選択として仕方ないのでしょうけれど、どうも彼に心を寄せる人たちに余計な負担が掛かっている感じで、それがなんか納得いかないんだろうなあ。
あと、純華は焔と対等になると吠えたからには、今回の相手くらいは一人でなんとかして欲しかった。今のままだと、やはり口だけになってしまいそうで、果てしないなあ。

1巻感想