GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (8)上 (電撃文庫)

【GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 8(上)】 川上稔/さとやす(TENKY)  電撃文庫

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関東解放戦を終えた武蔵は、休息兼補給のため立ち寄った四国の上空で、今後を見据えた作戦会議を行っていた。
武蔵の是非を問うヴェストファーレン会議にて欧州各国の支持を取り付けるためには、P.A.Odaの弱体化が必須。
そこで生徒会副会長の本多・正純は、"本能寺の変"の介入と羽柴勢への本格的な嫌がらせを行う事を決定する!? 
その一方で、再考査になった期末試験もこなさねばならず、大忙しの武蔵勢。3年梅組の試験内容として担任オリオトライが提示したのはさて一体――!
石川数正、このタイミングで出てくるのか!! 忠義に厚すぎて若干頭がおかしい三河家臣団の中で、羽柴に転向した重臣石川数正。この特殊な立ち位置は、羽柴側との対立深まる中で美味しい役どころでもあるけれど、酒井のおっちゃんはじめとして四天王は全員けっこう年食ってましたし、徳川家の主力を担った武将たちは先輩として既に卒業しちゃってたので、石川数正も今更登場する余地ってあんまりないよなあ……と、本格登場は諦めていたのですけれど。そうか、教員枠で登場か。しかも、オリオトライに負けちゃってる枠か。しかも、なんか交渉でホライゾンにドツボはめられて良いようにあしらわれかけてたことからも、かなり残念枠と見た。
しかし、ここで先生と因縁のある石川数正が出てきたことで、オリオトライ先生にはやっぱり大きな謎があるっぽいのが確信出来たのは良かったぞい。
さて、本能寺の変への介入を当面の目標と見定めた「武蔵」だけれど、動き出すのは次以降で今回はおおむね準備編の様相。そんな中で際立って輝いていたのが、やはり福島・正則と加藤・清正による超甘酸っぱい純愛百合展開なのではないでしょうか。ぶっちゃけ、川上史上最高の純愛模様じゃないですか、これ。それが百合というのは、もはやさすがとしか言えないのだけれど、この世界、頑張れば同性でも子供作れるので無問題! 川上ワールドだと、どうしても各人に変態性が介在してしまうので、純愛のように見えてもどこぞに変質的なものが入り混じってしまうのだけれど、なんですか、このピュアすぎる二人の恋心は。綺麗すぎて、目が、目が潰れるッ!! 汚れ巫女の穢れが浄化されそうな勢いです。
最近、十本槍側が可愛すぎて、そのまま隔離して汚染から守り通してあげたくなってきてしまいます。もう、武蔵サイドと接触するの、辞めない? 近づくと感染っちゃいますよ? どれだけ真面目でも純真でも、染まっちゃいますよ? この子たちが染まってしまうのは、いささかなりとも忍びないです。まあ、存外織田家もあれなので、放っておいてもあっち側から染まりかねないのですけれど。
ところで、今回完全に幕間回、と言っても過言ではない内容にも関わらず……なんでさらっとこれまでの激戦をはるかに超える規模で「武蔵」撃沈! の危機が訪れてたんでしょうね。さり気なく、今までで一番の大ダメージ食らってるんですけど。洒落じゃなくて、武蔵大破しかけてたんですけどw
人狼女王がもうなんかおかしいw これ、実は人狼じゃなくて人間サイズのゴジラかなんかじゃないの? あんまりといえばあんまりすぎる展開に、感情がないはずの自動人形が、それも武蔵さんをはじめとする艦長クラスの人形たちが、若干反応壊れてたんですけどw

夏休み前の期末テスト。そこで繰り広げられたのが、あの第一巻冒頭で行われたオリオトライ先生との鬼ごっこ再び、というのがまた、再スタートを連想させる展開で興味深かったですね。あの時と違って皆、成長していると同時に、伊達・成実のように新たに加わった面々もいるわけで、あの時のように簡単にはいかないぞ、なんて思っていたら、それはこっちの台詞だと言わんばかりの助っ人惨状。誤字ではなく、惨状惨状w
ああ、はちゃめちゃ具合もこのようにどんどんぶっちぎっていってるのね、というのを改めて具体的につきつけられたかのようで、苦笑のような半笑い。さあさあ、このハチャメチャな勢いで、はたして本能寺の変へとぶっこめるのか。こっから、また本分厚くなっていきそうだなあ。

シリーズ感想