ガーリー・エアフォース (2) (電撃文庫)

【ガーリー・エアフォース 2】 夏海公司/遠坂あさぎ 電撃文庫

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真紅に煌めく戦闘機を駆る美少女・グリペン。空に焦がれる少年・慧のパートナー。想いはひたむきだが、世間知らずでその挙動は相変わらず不審で不安定。山吹色に輝く戦闘機を操る金髪美少女・イーグル。天真爛漫で自信過剰、明るく楽しく敵を倒せばいーんじゃん?そんな二人の前に新たな戦闘機美少女、ファントムが現れる。清楚で可憐なルックスながら、これが腹に一物も二物も抱えた曲者で…?個性も思いもばらばらな3機編隊は謎の敵性体・ザイを迎え撃つべく出撃する!戦闘機×美少女ストーリー第2弾!
イーグルちゃんの、あの頭弱そうなキャラはなんなのー!? 世界に冠たる主力戦闘機なんだから、もっと毅然としたカッコよさを持ってて欲しかった。超腹黒とはいえ、ファントムの方がまだ一本芯の通った心映えといい、戦いへの覚悟といい定まっていて、結構好きだなあ。
しかし、やはりというかなんというか、アニマを確立するのは一機種につき一機だけなのか。同じイーグルからは一人だけ。ファントムシリーズからも一人だけ。ただし、「F-15E ストライク・イーグル」みたいに同じイーグル系でもここまで中身が別物になっているものは、新たにアニマを作れる可能性あり、と。
これはストライク・イーグル登場フラグですよね!?
でも、ザイに対抗できるのがアニマだけ。しかも、一機種につき一つしか生み出せないのだから、幾らコストが掛かるにしても、そんな簡単に廃棄とか考えられるんだろうか。他に対抗策が生み出されているならともかく、ねえ。これって、一国の問題じゃなく世界規模の人類存亡に関わる話なのだから、もし日本がグリペンを廃棄しようとしても、アメリカとか他の国がじゃあうちが引き取ります、みたいなこと言い出しそうだけれど。それどころか、謀略を駆使して奪いにきてもおかしくない。貴重な戦力を保持しながら、その力を引き出せていないとなると尚更に。そう考えると、この話はそういう国同士の暗黒面というか、裏のドロドロの話については極力避けて書いてるっぽいんですよねえ……。作者の夏海さんって、デビュー作みてもそっちの謀略戦とか政治闘争の話とかむしろ長けている、政治サスペンスどんと来い、というライトノベル作家としては特殊なくらいの筆の持ち主なんで、想定してないことはないと思うんですよね。実は裏設定でかなりゴタゴタやってるとか、積み上げてても不思議ではない。個人的には、怖いものみたさにそっちの覗き見てみたい気もするんだけれど。八代通室長あたりが主役のw
無人機としての高機動性と、アニマがもたらす処理能力こそが最大の武器にも関わらず、生身の人間である慧という大きなハンデを乗せないと稼働できないグリペン。その、どうしようもない弱点を長所へとひっくり返すのが今回の肝となる展開だったんですけれど、これって高機動性そのものはオマケですよ、てな話ですよねえ。いやでも、本来の第四世代ジェット戦闘機の戦闘における考え方を踏まえるなら、格闘戦はやっぱり邪道とは言えないまでも本来のそれとは外れてるしなあ。
イーグルの戦い方なんか見てると、グリペンよりもむしろあっちに人を乗せろ、とも思うし。
ちょっと物足りなかったのは、肝心の空戦描写があっさりしすぎていたところか。イメージしにくい、というのもあるし、何より盛り上がりどころがあんまりなくてねえ……。ラブコメの方も、明華なんか出番自体殆どなくなっちゃってるし。これはちょっと可哀想よ。
それにしても、ハイパーゼロがステルスすぎやしませんかね? F-2はステルス機じゃないですのよ!?

1巻感想