異世界魔法は遅れてる! 4 (オーバーラップ文庫)

【異世界魔法は遅れてる! 4】 樋辻臥命/himesuz オーバーラップ文庫

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闇魔法によって負傷してしまった水明は、行方をくらましたリリアナの捜索を開始する。このまま彼女が闇魔法を使い続ければ、体を蝕まれて廃人同然になってしまう。だが、その捜索の前に立ちはだかるグラツィエラ。水明は怪我をおしての戦いを余儀なくされてしまう。
リリアナはどうして帝国で騒動を起こしたのか? その謎を追いかけるうちに、水明は旅路を別にしていた黎二と再会する。
帝国騒動の真犯人を見つけるため、水明は黎二と協力し事件解明を目指す――。
異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、陰晴分かつ第4巻!
今回は1巻以来のフェルメニアの表紙。最初はヒロインとは名ばかりの大迷惑キャラだったのでなんで君が表紙飾るの?と思ってしまう所だったのですけれど、この四巻では堂々と表紙を飾るにふさわしい活躍で。ほんと、この娘って敵の時はショボかったのに、味方になると戦闘・交渉・後方支援と縦横無尽に活躍してくれて頼もしいの何の、という味方になると平凡化してしまう人が多い中で珍しいタイプなんですよねえ。個人的には、水明くんに学んでいる現代魔術概念により成長してグラツィエラくらいあっさり下してしまうくらいの強さになってくれていたら嬉しかったのですけれど、流石にまだ学びはじめでそこまで急速に強くなる事はなかったか。正直、グラツィエラ程度に大きな顔をされるのは業腹なので、水明くんが出張るまでもなく一蹴するくらいできたら痛快だったのですが。水明くん、大体において制約やらが介在して、全力が発揮できないケースが結構多いので、わりとストレス溜まるんだよなあ。それで戦闘回避するならともかく、この人結構頭に血が上りやすいので喧嘩買っちゃうもんだからして。やるならやるで、きっちり結果出せよ、と思ってしまう。
この段階で黎二くんたちと合流することになるとは思っていなかったのだけれど、あくまで水明くんは自分が魔術師ということは彼らには伏せておくのね。いい加減、彼のことを知っている人が増えてきているだけに、いつまでも隠しておけるとは思わないんだけれど、せっかくなのでできるだけ此処ぞという場面で開示して欲しいものである。だからなんだけれどてっきり、もっと黎二くんたちが大ピンチの時に颯爽と助けに現れる展開まで合流はない、と思ってたんですよねえ。ただ、ここで黎二くんたちと水明くんが本当に仲良いというのを、三人の気の置けないやりとりで見せられたのは良かったんじゃなかろうか。はじまってすぐに異世界送りになって、別行動になってしまったので、お互い信頼し仲良いのもそれぞれの発言から伝わってはいるものの、実際どんな感じの仲の良さだったのかは、ちゃんと顔を合わせて笑ってくれないとなかなかわからないですからね。特に、瑞樹なんか普段の言動では黎二くんしか眼中になさそうでしたから。見てみると、瑞樹にとって黎二くんは特別な男の子なんだけれど、水明くんは水明くんで特別な友達なのだ、というのが感じられてよかったですよ、うん。
さて、帝国のリリアナ編の方ですが、二巻費やしたわりにはちょいとモヤモヤが残る終わり方だったような気がします。結局、事件の真犯人とは別に、裏で動いている魔族とは別の勢力、黒幕みたいな存在が居る、というのがわかる展開であって、肝心の事件の真犯人はなんかぽっと出の印象しか残らなかったもんなあ。それに、リリアナとローグの父娘関係もローグが真犯人じゃないのかというミスリードを誘うためか、ローグの描写が少なかったせいか、二人の関係に深みが感じられずに、リリアナからの父親への別れ、ローグの娘への決別、というドラマがどうしても薄味になってしまっていたように思うのでした。本当なら、あの二人の別れのシーンはもっとジーンと来ても良かったと思うんだけれど。
リリアナもフェルメニアも微妙にキャラがぶれてるというか、性格定まってない気がするし。ちょっと手探り感がまだ漂っていて、キャラが固定しきれてない気がするのよねえ。
エリオットなんかも、あれで意外とイイキャラしていたのは面白かったんだけれど、どうも前巻の人の話を全然聞かなさそうな自己中な性格とは齟齬がある気がしましたし。いや、こっちのエリオットの方がいい意味でのライバルキャラっぽくてよかったんですけれど。
とりあえず、レフィールさんようやくロリキャラから脱出できて、お疲れ様でした。大きくなっても、若干ロリ化してた頃の性格が残ってしまっているような気がしますが。凛々しくて毅然としたレフィールさんは何処w

3巻感想