断末のミレニヲン (2) いつか還らざる者たちへ (角川スニーカー文庫)

【断末のミレニヲン 2.いつか還らざる者たちへ】 十文字青/ so-bin 角川スニーカー文庫

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逃れ、逃れて絶望の果てにアトル達が辿り着いた剣の王国の城塞都市キャメローにも屍霊の魔の手が伸びていた…!陥るは絶対絶命の危機。現れたのは救いの手か、それとも恐るべき罠か。束の間の休息を楽しむことなど、滅びが迫るこの世界では許されない。弓手ルーイは謎めいた笑みを浮かべ、ツェン・ヨーガは怪笑し、カヤは宝石の瞳で見つめ、バーバラは微笑する。今まさに風雲急を告げる屍霊幻想一大叙事詩、極大衝撃の第二幕!
……ふぇぇ(呆気
いやもうなんというか、場合によってはこの巻でお終いなんですよね? それでこのラストって。……これもうあかんのとちゃうん!?
ぶっちゃけ、ゾンビものでここから元に戻る事が出来た展開なんて見たことないですし。
やっと辿り着いた故国の城塞都市は、既に屍霊の大群がうろつく死都となっていた。逃げて逃げて、逃げた先も手遅れで、という絶望に絶望を重ねるような展開だけでもキツいのに、そこからさらに生き残った人間同士ですら殺しあわなければならないという救いの無さ。疑心暗鬼は容易に人を狂気に追いやる。集団で狂気に取り憑かれれば、それを押しとどめるものはもう存在しない。いや、このケースだとキャメローの騎士団が狂乱に陥ってしまうのも無理はないくらい、起こってる出来事が破滅的なんだけれど。
城塞都市というだけあって、都市内部は原野や森のなかよりもよほど逃げ隠れできる場所はたくさんあるんだけれど、同時に数の暴力で逃げ場をどんどん潰されていくという事でもあり、ジリジリと履きつぶされていくようなプレッシャーが酷い。オマケにあれである。バイオハザードでいうところのタイラントみたいなバケモノが出てくるんだから、容赦呵責の欠片もない。ってか、あんなバケモン反則やないかー。死ぬ。普通に死ぬ。どうやったって死ぬ。生身の時ですら無敵超人だったような人だったのに。ゾンビものの醍醐味というのは、一つは無数の死体が無限に湧き出て押し寄せてくる、という設定であり、もう一つこそ仲間だった人味方だった人、まともな人間だった人が、ゾンビに噛まれて怪物化してしまうという展開なんだけれど、ファンタジーでゾンビものをやると、現代モノでは存在しないような無双出来るような達人超人がゾンビ化して襲ってくる、みたいな在り得ない悪夢が待ち受けているわけで。こんなんどうすんねん。
この巻では非常に強かで食わせ者な仲間が二人も増えたために、その立ち回りもあってかこれだけ追い詰められながら、最終局面まで前回あれだけ穴の空いたバケツに入れた水みたいに頻出した被害者はごくわずかに留まっていたのだけれど、正直だからこそ最終盤では一気に仲間の大量殺戮が行われてしまうんじゃないか、とビクビク構えてたんですよね。でも、あれはほんとに予想してなかった。全然考えてなかった。
この物語に「死」以外の結末は用意されていない
この強烈なアオリ文の真意を目の当たりにして、愕然とするしかありませんでした。
いやこれもう、むしろここからこそが興味尽きないんですけれど。こっからこそが、どうなるか気になって仕方ないんですけれど!!
ルーイの正体とか伏線残しているようだし、この巻では肝心の姫様が出番少なくて目立ってなかっただけに、ちゃんとヒロインとして、場合によっては主人公として頑張ってほしいところだし。さすがにこれで終わり、というのはたまらんですよ。このゾンビハザードの原因なんかもサッパリわからないままですし、どうしてこんなに広範囲にわたって一斉にハザードが発生したのか、という謎についても不明ですし。気になる所がオオすぎる。

1巻感想