カボチャ頭のランタン (ダッシュエックス文庫)

【カボチャ頭のランタン 01】 mm/kyo ダッシュエックス文庫

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そこは、数多の迷宮が湧く都市。探索者と呼ばれる者達は命をかけて迷宮に潜り、ある者は輝かしい栄誉を手にし、またある者は誰にも気づかれることなく、孤独に朽ち果てる。単独探索者として独り迷宮を攻略し続ける少年ランタン。闘争と孤独の日常の中で、ランタンは長身痩躯の少女・リリオンと出会う。外見に反してどこか幼さを感じさせる彼女には、重大な秘密が隠されていた。独りではなくなった少年の胸に去来するのは、戸惑いか、温もりか。少しずつ変わりゆく日常の中で、少年は今日も迷宮を征く―。WEBでカルト的な人気を誇る超本格ダークファンタジー小説、待望の書籍化!!
こ、これは新属性じゃないのか!? まさかの巨大ロリ。巨ロリ? 大ロリ? イラストからして、明らかに大人で年上で落ち着きのあるお姉さん気質の女性っぽかったんで、リリオン初登場時からの異様な違和感に大混乱を起こしていたのですが、彼女の年齢が明らかになってようやく納得……できるかーー!! いや、その外見と年令のギャップにはちゃんと理由があって、なるほどそういう事だったのかと得心はいったのですけれど、それまではもうずっと眼が白黒状態で。体は成熟していておっきいのに、精神面は年齢相応というのはあれですね、新感覚ですね!!
むしろ、ランタンがこのリリオンをちゃんと年齢相応に扱ってあげられている、しかも無理してじゃなくて自然に保護者として振る舞えているのには、素直に尊敬を覚えます。どうしても、外見に引っ張られるもんなあ。だってこれ、見た目と実年齢、十年でも収まらないですよ。十代にすら見えないのに。でも、カダラは大きいのに幼女らしい無垢な振る舞い、というのはあれですね、ギャップ萌えがありますよね。小柄なランタンよりも、幼いリリアンの方が大きいというサイズの逆転は、日々のスキンシップにしてもちっちゃい幼女とのそれとはまた違ってくるもので、リリオンは幼女らしく素直に甘えてくるんだけれど、単に抱きつくにしてもランタンの方がすっぽりと収まってしまうというこの包容力(笑
見た目大人だけに、ランタンももうちょっとトチ狂ってもおかしくなさそうなんだけれど、わりと徹底して「幼い女の子」を相手にしているという意識を崩さないあたりは、凄いなあ。その上で、ダダ甘なんですけどね、このランタンくん。リリオンに対して。もう目に入れても痛くないんじゃないか、というくらいの可愛がりっぷり。
あらすじにはダークファンタジーなんて標榜してますけれど、なんか一巻は概ねランタンとリリオンのイチャイチャだったような気がするんですけれど!
でも、ファンタジーとしての要素はダンジョンものとしてのほの暗さ、土と石の香り、穴蔵の奥へと進んでいく底なし感が、きっちり出ていて雰囲気あるんですよね。ダンジョンの潜る、という形式が単に洞窟に潜るという一般的なカテゴリーのそれではなくて、縦穴式の炭鉱に降りていくようなスタイルというのも迫真性を醸し出してるんですよね。何気に、この縦穴式というのは珍しいかも。しかも、大型エレベーターで一気に、というのじゃなしに、個人個人がロープで体括りつけて降りていく、みたいな。これって、何かあっても上で巻き上げて引っ張りあげてくれなければ、ダンジョンから脱出できない、という上と下との断絶がくっきりと出来ているものだから、危機感は絶えないわけだ。その上で、探索者という最底辺をうごめく人種が生きる上での容赦の無さ、生命の軽さ、暴力や悪意が渦巻く日常感、というのもしっかり描かれているので、なおのことランタンとリリオンのイチャイチャっぷりは安心できる要素にもなってるんですねえ。
第一巻ではリリオンとの出会いと、探索者初体験編がメインでありいわば導入編なんで、本格的に話が動き出すのは次回以降か。これはなかなか楽しみなシリーズとなりそう。