結局、ニンジャとドラゴンはどっちが強いの? (MF文庫J)

【結局、ニンジャとドラゴンはどっちが強いの?】 伊達康/そりむらようじ MF文庫J

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魔法を操る竜人が現れたことで大陸の人類は滅亡寸前にまで追いやられていた。とある村を守る剣聖女・メルシオーネは、ある日ヒノモトから来た“シノビ”サビトと出逢う。常識外れの剣の技量と魔法にしか見えない奇妙な術―ニンポウ―を操り、強大な豚人と妖人の群れを容易く蹴散らしたその腕を見込み、メルは彼を村へ招くが…。「大体お前って、胸に重りつけて戦ってるようなモンだし」「ひ、酷い!エッチ!もう荷物を持ってあげませんから!」寡黙(のフリして内心饒舌)なニンジャと清楚(だけど天然)銀髪巨乳女騎士。凸凹な2人の相性は、だけどなかなか悪くないようで…?ニンジャとドラゴンが雌雄を決する人類反抗バトラブ活劇ここに見参!
日本人って、なんだかんだとアメリカナイズにカスタマイズされた「ニンジャー」好きですよね。だからといって、古式ゆかしい忍者も好まれていて、両方屈託なく楽しめるのだからお得な人民だよなあ。
さて、昨今はメリケン国から襲来したニンジャスレイヤー・サンがそのマッポウ的な世界観を携えて大暴れしている影響もあってか、本作もあれくらいニンジャしているニンジャ・サンが出てくるのかと思ったけれど、流石にあそこまでぶっ飛んでなかったよ。
とはいえ、こちらもマッポウもマッポウ。もはや国家が存在しないくらい人類が追い詰められた世界である。世界、終了のお知らせ。そういえば、つい最近富士見ファンタジア文庫で西部劇の世界で空飛ぶ吸血鬼と戦うニンジャというわりといい具合にハッチャケた作品があったけれど、それに比べればドラゴンと妖魔軍団に制圧された中世世界で姫騎士とニンジャがカップルになって戦うぜ、というのはまだまともなんだろうか、はてさて。
いずれにしても、ニンジャである以上はザコ敵を殲滅するにしても普通のやり方では収まらないし収めてはいけない。それはもう、ニンジャ的エキゾチックでエキセントリックな無双法でないと、意味が無い。その意味では、あのゴブリンやオーガたちの倒し方はインパクトあったんじゃないだろうか。

【瑠璃色にボケた日常】で散々味わったけれど、この人の書く漫才めいた掛け合いはやはり切れ味たっぷりなんですよね。サビトももうちょっと早くから地の顔出してくれた方が良かったんだけれど、ニンジャらしく格式張ったしゃべり方しているとどうしても対応が固くなってしまうのですよね。その点、素の少年らしい屈託も遠慮もないキャラの方が、頑張り屋だけれどやや天然にボケているメルと掛け合いにしてもがっちり噛み合うのです。二人がようやく馴染みはじめたあたりからの掛け合いは本当に面白かった、それだけに序盤ちょっとお互い遠慮が混じっていた感もあったからか、もたもたしていたのがちと勿体無い。
ドラゴンは、人間形態が多いせいかあんまり竜って感じがしなかったかなあ。あんまり人間相手にガツガツしているのもドラゴンっぽくなかったし。こういう敵役で一番しっくり来るのってやはり吸血鬼とかの類なのかなあ。
この作者さんの特性はやはりラブコメにこそあると思うので、メルとサバトがしっかり噛み合ったカップルになった次回以降にこそフルスロットルの威力を期待したい所。真打ちっぽい幼馴染の存在も匂わされてることですしねえ。

伊達康作品感想