のうりん10 (GA文庫)

【のうりん 10】 白鳥士郎/切符 GA文庫

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今日はみなさんに、とっっっても残念なご報告があります。
わたし、戸次菜摘は――

結婚 します!!

男子生徒のみんな~! 先生が人妻になっちゃって落ち込むのは仕方ないけど、元気出さなきゃダメだゾ!
だってだってぇ、これから始まる『インターンシップ』で、いろぉ~んな仕事を体験しなきゃならないんだからね☆
男の魅力は出世と収入! いい就職先を見つけて、みんなも先生みたいな若くてピッチピチな奥さんをもらっちゃお~♪

聖夜に起きた奇跡と農業の物語、将来(みらい)へと繋がる第10巻!
これは、おおう。農高卒業後の進路の話は、今まででもトップクラスに衝撃的な話だったかもしれない。凄いよね、これ。この作品の根幹をへし折りかねないどうしようもない絶望的な話じゃないですか。確かに、農業高校に通うというのはそれだけで一つの意思表示であるはずなのに、その農高の卒業生の数に対して実際の日本の農業人口の推移は全然反映されてないもんなあ。これもう、意欲の問題じゃなくて完全に構造問題じゃないですか。
しかも、わりとどうにもならないたぐいの。いや、どうにかする方法はあるんだろうけれど、日本人というのは一度構築されてしまっているシステムを一旦ぶっ壊して新生させる、というのを生理的に忌避してて、とりあえず
手近で出来る範囲でやれることを無理やり取り繕って満足してお終い、というのを得意としているだけに、こりゃああかんですわ。個々では見事に立ち回り、ビジネスチャンスをものにしている人たちもいるのだろうけれど、それが日本の農業の構造そのものを変革する動きになるとは思えない。もしそれがビジネスモデルとして確立したとしても、致命的に時間がなさすぎる。既に、タイムリミットは過ぎている感すらある。
わざわざインターンシップで様々な卒業後の進路先を見せた挙句に、この現状を見せつけてくるあたり、極悪ですらある。
思えば、銀の匙の八軒くんって凄いよなあ。

インターンシップの話で一番印象的だったのは、やはり市役所の話でしょう。これ、モデルとなった人、或いは人たちがきっちり居るんだろうなあ、というのが敬意にあふれた文章からも伝わってくる。正直コレ、システムの不備を個人の才覚ややる気や責任感に押し付けすぎ、という気もするんだけれど、こういう人が少なからず要所要所に存在しているからこそ、この国は回ってるところがあるんだろうなあ。でもこれって、給料分以上、だと思うんだけれど。
あと、この作品のヒロインはやっぱり金上っでいいと思う。スカート金上最高。ってかさ、あの居直り強盗みたいな幼馴染より、よっぽど金上の方が乙女じゃないですか、可愛いじゃないですか、女の子してるじゃないですか。自分、筋金入りの幼馴染ストだと思ってるんですけれど、農については焼畑農業で処分した方がいいと思うんだ。
この娘、絶対ベッキーと同類だと思う。
そのベッキーだけど、もうだめだよ。誰か止めろよ、家族身内の人、なんとかしなさいよ。あれじゃあできるものもできないよ、無理だよ、女として終わっている以前に人として終わってるよw

サプライズとして、まさかの【らじかるエレメンツ】の面々の再登場。作者白鳥士郎氏のデビュー作の登場人物たちですよ。流石にカトウハルアキさんのイラストで認識していたので、最初わかんなかったんですけどね。
作者の中で、実質打ち切りになってしまったデビュー作に気持ちの上で一区切りつけるための、ある意味公式エンディング、となるんですけれど、のうりんという作品のキャパに余裕があってこそだけれど、あの作品のファンだった身としては、こういうのもまた嬉しいです。読み手としても、こういう風に一区切りつけてくれると、ああ終わったんだなあ、と思うことが出来ますし。
しかし、アルミはもっとデコてかってるぞw

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