S.I.R.E.N. (5) ‐次世代新生物統合研究特区‐ (富士見ファンタジア文庫)

【S.I.R.E.N. 5 ‐次世代新生物統合研究特区‐】 細音啓/蒼崎律 富士見ファンタジア文庫

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真なる敵の計画により、大樹から生まれ堕ちる無数の幻想生物たち。世界を蝕む存在を前に、京花、エリス、レイレイたちだけでなく、かつて敵として戦ったネックザール、禰鈴、そしてキリシェまでもが、SIRENを守るために共闘する。一方、大樹の胎動を受け、フィアの中に眠っていた真天使の覚醒が始まる。その身を犠牲に大樹を封印するため―。真天使の悲壮な決意を止めるべく、ミソラの中に秘められた“方程式”の真の力と役割が、いま解放される。天使を宿す少女と世界を癒やす少年の物語、佳境に突入!
あー、なんかあれですね。原作付きのアニメが、1クールで締めるために途中から原作のネタを無理やりまとめて取り敢えず終わらせた、みたいな感じで。この、巻いた巻いた感たるや。青・緑・黒の第一相を総登場させたのに、特に決着をつけさせないまま顔見せでしかなかったり、バイオテスタ側の最強であるキルシェの無理やり感のある再登場といい、ちょっとバタバタしてるのは否めないんですよね。うーん、でも先々のことを考えられるなら、ここでひと通りの要素を出しておきたい、というのはわかる。それに、多くを謎のままだったり不明のまま幕引きされるよりも、ざっと通り一遍等とはいえ準備されていたネタや伏線を概ね開示してくれたという意味では、もやもやしたものが残ることはずいぶんと少なくなったと思うし。どうしたって、ここで作品を終わらせなければならない、と区切られてしまったケースにおいて、一つの選択をしてそこに全力投球しているのがわかるだけに、仕方ないのかと思わざるをえないところか。もうちょっと、ひとりひとりの心情描写を掘り下げてこそ、それぞれのシーンの情感は豊かになっただろうことは伝わってくるだけに、残念ではあるんだけれど。レイレイの黒の一相との再会なんか、かなり唐突だもんねえ。そして、唐突なくせにやたらとラブラブだったあたり尚更にw
ネクサス=大樹にしても、本来ならラスボスとして満を持して登場だったはずだろうに、なんか中ボス的な扱いだったし、真天使のデレが物足りないまま終わってしまったり、と物語としての充足不足はどうしたって目につくのですが、さて問題はこの先である。
【S.I.R.E.N. 】はこれにて終了ではあるんだけれど、後書き見ている限りだと、どうも【黄昏色の詠使い】からの一連のシリーズの集大成的な話の気配があるようなないような。
まだ一蓮の世界を通じての謎がいくつも散見され、エルベルトやアナスタシアの素性も含めて、そろそろ核心の部分と細音ワールドのオールスターをそろそろ見てみたいじゃないですか。その辺、期待しつつ……。

シリーズ感想