魚里高校ダンジョン部!(2) 軍艦迷宮の幽霊部員 (ファミ通文庫)

【魚里高校ダンジョン部! 2.軍艦迷宮の幽霊部員】 安歩みつる/ 冬空実 ファミ通文庫

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守護神を得て、ダンジョン部へ復帰したタツマ。部も一つにまとまり、夏はついに始まった!しかし地区予選の初戦、魚里高校の弱点が露呈してしまう。それは司令塔の不在。甲子園へ勝ち進むため、とある幽霊部員の元を訪れたタツマだったが…。突然休部したという司令塔、毎夜コンビニに出没する謎の痴女、そして封印された死と災いの廃墟『軍艦迷宮』。幽霊部員の謎と真実は、最凶最悪の迷宮に隠されていた!ダンジョン攻略×熱血青春物語、第二巻登場!!
あー、二巻にとりかかる前に打ち切り決定だったのか。うーん、熱血青春物語という謳い文句通り、実際熱い物語で若い連中が一つの目標に向かって打ち込む、というのは部活もの、スポーツものっぽくてよかったし、手に汗握る面白さだったと思うんだけれど、いかんせんダンジョン競技というもの自体がしっくり馴染まなかったんですよね。野球に合わえて見立てているポディションだのも、何が野球と共通しているのかよくわかんなかったですし。ウェブ版は読んでないのでどうなってるかわかんないのですが、少なくとも一巻でもこの二巻でも、最大の盛り上がりどころは試合じゃないガチでの実戦でのダンジョン攻略戦であって、競技としてのダンジョン攻略は結局見どころらしい見どころを描けないまま終わってしまっている、という点に尽きるんじゃないでしょうか。基幹となる設定がうまく使えてなかった、という感があってはなあ。
むしろ、試合じゃないガチのダンジョン攻略戦がちゃんと面白かった分、変に捻らずに競技にするにしても野球なんかに引っ掛けない通常のダンジョン攻略にまつわる競技にすればよかったのに、と思っちゃったもんなあ。

ともあれ、今回のお話、最初に読んでいる時は単に休部している優秀らしい幽霊部員をどうやって引き戻すか、という実に部活モノらしいお話かと思って油断していたので、途中から明らかになるヘヴィーすぎる重たい展開にはかなり度肝を抜かれたし。
全然予想だにしていなかったんで、タツマが真相にたどり着いてしまうまでこっちも全然気づかなかったですしねえ。
そして、クライマックスの激戦は見事の一言。作中時間としてはほんの数分にも満たないはずなんだけれど、あれほど濃厚に二転三転する白熱した展開に、激しく上下動する感情の盛り上がりを凝縮して詰め込みまくってましたからね。この手のスピード感をバトルシーンでギュッと詰め込んで描ける描写力は、一つの武器となりますからね。
タツマのみならず、前回からバーン先輩やアイアン先輩といった上級生組の見せ場が熱すぎです。こういう男臭さも希少なんだけれどなあ。
しかしこの作品、カヤやウィリスといった正統派ヒロインよりも、オルタ様やカエデさんみたいなある意味イロモノに類されるような娘たちの方が圧倒的にヒロインとして存在感示しちゃってるのは、面白いなあ。

1巻感想