ストライク・ザ・ブラッド13 タルタロスの薔薇<ストライク・ザ・ブラッド> (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 13.タルタロスの薔薇】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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多発する船舶と航空機の事故によって輸送経路を閉ざされ、孤立する絃神島。そんな中、人工島管理公社の要人が次々に暗殺されていく。一連の事件の首謀者は“魔族特区”破壊集団タルタロス・ラプス。謎に包まれた彼らの攻撃により、絃神島はかつてない危機に陥っていた。
そのころ暁凪沙は、アヴローラの魂による精神の侵蝕に苦悩していた。古城のことを妙に意識して、普段通りに振る舞えない凪沙。たまらず学校を抜け出した凪沙は、ディセンバーと名乗る不思議な少女と出会う。彼女、ディセンバーこそがタルタロス・ラプスのリーダー。そして彼女には、第四真祖である古城すら圧倒する特別な能力が――!
世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第十三弾!
もう仕方ありませんね、などという態度を見せながら、実際は自分からおねだりしているあたりに、恥ずかしくてなかなか言い出せないけれど最近エッチしてないのが微妙に不満な若奥さま的な雰囲気を醸し出している雪菜さんのイジマシさが微笑ましい今日このごろ。そろそろ、新婚とはいえなくなってきた頃でしょうか、などと思ってみたり。
そんな雪菜さんを味わい尽くした上で、まだ足りんとそのままよその女に手を出す第四真祖は、なかなかの鬼畜ですな!!

だいぶ背景が明らかになってきたが故にわかってきた事なんだけれど、絃神島というのはそもそも存在からして真っ黒だったんだなあ。一巻で、その成り立ちから相当ブラックで表沙汰に出来ないあれこれを駆使して誕生したことは明らかになってたんだけれど、まさか島が誕生した、この島を作った目的からしてそこまで黒いことになってるとは。
これ、島の中枢に携わる人間、全員真っ黒じゃないの? 浅葱の方は、継母の人があれだし、父親もそういえば議員だけれど大丈夫っぽいのか。でも、古城の方がなあ、母親があれ、グレーゾーンどころじゃないでしょう。

とはいえ、絃神島がもし邪悪な儀式を行うために作られた祭壇のようなものだったとしても、一方で多くの人達が日々暮らしを営んでいる街であり、住む人々にとっての故郷である、という側面もあるわけだ。古城たちもいい加減、自分たちが住んでいる島がまっとうでないものだとわかってきてはいるのだけれど、それ以上にわが町我が故郷、という側面の方が強いし大事なのよね。今回の話、前哨戦ではあっても古城が戦うための指針を示す上では大事な話だったような気がする。まあ一貫して変わってない、とも言えるんだけれど、彼の「島を守る」という観点がよりクリアになったんじゃないかしら。今回は島の破壊を目論むテロリストと相対することにはなったけれど、立場を翻せば島を怪しげな目的の為に利用しようとしている相手に対しても、戦う理由は生まれるわけですしね。
未来において、なんで「暁の帝国」なんてものが出来上がったのか、彼の戦う動機を突き詰めていくと何となくわかった気がするよ。

しかしさー、わりと毎度のことだけれど、那月ちゃんてわりと肝心なときは役に立たないよね。三聖の人もだけれど、強いのにその強さを活かせずに活躍の場を殺されてしまっているのは、もうちょっとしっかりしておくれよ、と思わないでもない。彼女たちが「すげーつえー!!」とフルに実力を発揮して大暴れしたのって、もしかして古城くんと戦った前回ぐらいじゃないのかしらww

今回の話で改めて思ったけれど、第四真祖の12の眷獣。やはり、その外殻となっていたそれぞれのアヴローラの人格、なんらかの形で残ってくれてたら嬉しいんだけれどなあ。
10番目の性格から鑑みても、あの12番目って相当に内気で大人しいタイプだったのなー。今更ながら、この作品のヒロインとしては非常に希少価値のある性格だったのよねえ。何しろ、お気がお強い女性ばかりですのでw


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