路地裏バトルプリンセス 3 (GA文庫)

【路地裏バトルプリンセス 3】 空上タツタ/平つくね GA文庫

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「デートなさい。恋愛は先手必勝の戦いじゃなくって?」
日月と來未の師弟関係に危機感を募らせていた小町に対して、ある日囁かれる親友・茜からの悪魔の囁き。(…そ、そうよね。來未さんにオトされちゃうかもしれないし)こうして一大決心した小町は、茜のアドバイスのまま“身体”を使って大胆アプローチ!? 一方路地裏で再開した“血闘”は早くも大盛り上がり。注目ルーキー“二代目魔王少女”の次戦はもちろん、近々トップランカー同士の下極上戦があるようで―。恋もバトルも一撃必殺!白熱の路上バトルアクション第3弾!!

なるほどなあ。この帯の「認めてもらいたい」というのはわりと重要なこの作品のコンセプトなんですよね。この作品において、闘うということは自己認証であり、自己証明であるわけだ。決して、強さを証明したいわけではなく、勝ち負けにこだわるのではなく、闘うことを通じて自分の今の在り方を必死に証しだてようとする者たちが、血闘者と自らを名乗っている。それ以外の、ただ力を示そうという行為、欲望を押し付けようとすること、意思なき力は往々暴力として忌避され、否定される。それはふるうべき力ではない、と制止される。
この境界線上というのは、非常に曖昧で関係者以外には、いや当事者である血闘者たちですらなかなか理解しきれていないのだけれど、その境目をきっちりと区切りわけてそれを跨ぎ越えようとするのを止めようとし、或いは背を向けようとする人に理解を促すのが、小町であり來未であり、自らの今現在を、自分が今ここまで至ったのだ、というのを証明する為に闘っている者たちの、プライドでありひいては証明の場である“血闘”の意義を守るための守ろうとしているものなのだ。これは、実のところ最初の巻から一貫しているのだけれど、まさか恋する自分を証明するためにその相手と殴りあう、というところにまで至るとは思っていなかった。殴りあって友情が芽生えるのはまあ昔からよくあることなのかもしれないけれど、自分たちが恋しあっている事を認め合い向き合うために、その男女がガチでボコり合う、というのはさすがにちょっとどうかと思ったんだけれど、こればっかりは人それぞれですしなあ。あくまでそのカップルの向き合い方であって、さすがに小町や來未は恋の証明を血闘で示そうという女の子ではない……と、思いたい。來未に関しては、弟子として成長を示すために師匠と拳交えます、とか言い出してもおかしくはない子なんですけど。
でも、こうして見ている限りでは、來未はあくまで弟子なんですね。小町はかなり恋敵として警戒していますけれど、あの無邪気さに下心は見えないからなあ。尊敬が思慕に変わることは容易にあると思うけれど、今の段階ではまだ、と言えるでしょう。その意味では、小町の恋する少女としての魅力はあふれんばかりで、多少自爆したり自分で設置した地雷を踏んづけて死亡したりもしていますが、それも可愛げの中に含まれていて、圧倒的に可愛いのですよ。
日明は相手からの感情には鈍感かもしれませんけれど、でも自分の感情に対しては鈍感ではないはず。そんな素振りをあちらこちらで見せていますし。小町は気持ちを伝えるということに関しては空回りしっぱなしでしたけれど、決して失敗ではなくて、想いは伝わらなくても魅力はきっちり伝わっていたんじゃないかな。
と、思っていたところに最後の最後で小町、ばっちり決めてくれましたけれど。この娘は凄く乙女だけれど、決めるときは決めるカッコイイ女性だなあ、こういうところ。

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