魔法少女育成計画 ACES (このライトノベルがすごい!文庫)

【魔法少女育成計画 ACES】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい!文庫

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盟友リップルの行方を探しながら、「魔法少女狩り」としての活動を続けるスノーホワイトに、「魔法の国」の国の中枢たる「三賢人」の一人から呼び出しがかかる。指定された屋敷に赴いたスノーホワイトを待ち受けていたのは、高貴そうな雰囲気を身に纏った、幼い外見の少女だった。少女はスノーホワイトに、とある魔法少女の護衛を依頼するが――。
話題沸騰のマジカルサスペンスバトル、ますます絶好調!
ついにこの作品もアニメ化かー。特に一巻はああ無情、ああ無情という惨劇の数々に未読の人が阿鼻叫喚となるのが想像できて、ゾクゾクしますねw
久々のスノーホワイトさん主役回。これまでちょくちょく再登場していたものの、どちらかというと助っ人枠であり物語の主体となるグループは別に居たのだけれど、今回はほぼメインに座っての進行である。もう、貫禄がパないのね。歴戦の戦闘のプロ、という雰囲気がひしひしと伝わってくる。孤高でありながらディスコミュニケーションではなく、けっこう同行するメンバーに対する気配り、心配りもきっちりしているので、この物凄い頼りになる感がパナイのー。強さと優しさが併存している、まさに主人公たる魔法少女。しかし、だからこそこの作品はそうした主人公に苦行を強いていくことに労を惜しまない。
それでも、今回の話を見ていると、ある程度選抜というか整理は終わって、メンバーが整った、という感じがするんですよね。これまで、一話ごとに発生していた魔法少女たちの殺戮劇を勝ち残り生き残ったサバイバーたち。身も心もボロボロになりながらも、それでも生命を使命を祈りを願いを託され、生き残った魔法少女たち。まさに厳選された彼女たちによって、この魔法の国の一番奥底でうごめいているおぞましい核心に至る物語が動き出したように見える。
ここからは、流石にこれまでのようにザクザクと人死は出ない気がするんだけれど、それでも新規参入キャラは容赦なくこぼれ落ちていく可能性は高いので、要注意ではあるのだが。
ぶっちゃけ、かろうじて生き残った面々がこの期に及んで無残に脱落されると、こっちのダメージがもう立ち直れないレベルに達してしまいそうで、いろいろたまらんのですよね。それでも、物語上必要があるなら死は免れない展開もあるのでしょうけれど、このあたりの取り扱いは難しいですぜえ。
そこ、逆を取って生きてさえいればいいんでしょう、と言わんばかりのむしろ生き地獄、を嬉々と味わわせようとしてくる、なんてえげつない真似をしてきたりもするので、油断は禁物である。スノーホワイトとリップルは地獄行だよなあ、これ。敢えて自ら復讐のために地獄の道を行こうとするプリンセス・デリュージみたいな子もいるし、プフレを守るためにドツボにはまりつつあるシャドウゲールみたいな子もいるし。生き残ってなお、過酷すぎる魔法少女業を続けている子たちである。もうこれ、プフレに頼るしかないのか。彼女は悪人だし外道の類なんだけれど、それでも筋は通すし味方として動いてくれるならこれほど頼もしい人もいないので、表のスノーホワイト、裏のプフレという風に構えれば、かなり安心出来るんだけれど……。なにしろ、相手があらゆる意味で腐りきった連中だもんなあ。魔法の国って、もう根本からブラックすぎやしませんか!? 旧ソ連もびっくりですよ。
エピソードとしては、この一巻で前哨戦。ある意味プロローグでしかなかったのか。読んでるこっちも陽動に振り回され、まさかあっちが本命とは夢にも思わず。これは、荒れるぞ。

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