絶対城先輩の妖怪学講座 七 (メディアワークス文庫)

【絶対城先輩の妖怪学講座 七】 峰守ひろかず/水口十 メディアワークス文庫

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「顰衆」との一件で、『妖怪学』への意識が変わった絶対城。自分なりの妖怪学論を執筆するため資料整理にあたっていると、紫から「座敷わらし」に関する情報を耳にする。一行は山間の巨木が佇む廃村神籬村を訪れ、座敷わらしの正体を突き止めることに。一方、東勢大学では謎のドラッグが広まりつつあり、絶対城のもとに織口が相談に訪れる。大学と神籬村という、遠く離れた場所での、一見関係のない出来事が次々と繋がってゆき…そしてその脅威は礼音にまで及ぶのだった。
おやおやまあまあ、絶対城さんがそんなことを口に出して言うなんて。妖怪学への意識だけじゃなくて、別の部分も大分変わっちゃってるんじゃないですか?
まあ、彼が礼音をどう思っているかなんて、今までも態度でバレバレではあったのですけれど、当人ではなく杵松さん相手とは言え、あの捻くれ者が思っていることを素直に告白するなんて、随分と人が変わったというべきか、それだけ惚れ込んでいると言うべきか。まあ杵松さんからしたら、あの絶対城が本音を自分にだけ打ち明けてくれた、というのは絶対城本人は実感ないかもしれないけれど、これは嬉しいですよね。杵松さんからすると、友達甲斐のあるやつなんだろうなあ、この変人は。
まあ付き合いの長い人たちからすると、この人のつっけんどんな態度は可愛げでしかないんだろうなあ。見ようとして見てたら、わりと何考えてるかわかりやすい人ですし、その優しさとか気配り上手なところとかも本人が思っているほど隠せてないですし。
段々、絶対城先輩を愛でるお話になってきた気がするぞww

さて、今回のお題は、家に繁栄を呼ぶあやかし、そしてそれが出て行ってしまうと家が滅びるという幸福と不幸の両方を体現している不思議な妖怪である「座敷わらし」。
今回は、その正体をどういう古代生物、或いは巨大生物で持ってくるのかと思ったら、なるほどこれは面白い「座敷わらし」の正体だなあ。一応筋が通っている……のか? 個々人が感じる幸福感と、実際の家の繁栄は違う気もするけれど、相変わらず突拍子もないネタを実に面白く料理して、妖怪話に仕立てあげるものである。この荒唐無稽さが面白いんだよなあ。
しかし、回を重ねるごとに礼音の女性離れした、というか人間離れしたタフネスさが際立ってきますねえ。今回なんぞ、普通の人間なら意識すら保てないくらいの状態だったはずなのに。絶対城先輩がいい所で颯爽と登場してくれるのですけれど、わりと放っておいても礼音さん、一人で切り抜けてしまいそうなほど頑丈というか打たれ強いので、段々と絶対城先輩も微妙に介入するタイミングに余裕見るようになって気配すら……w
でも、礼音のピンチとなると顔色変えてすっ飛んでくる度合いというか焦りっぷりについては、増し増している感もあるので、礼音のタフさを信頼しててもべた褒めしてる弱みかなあ、このあたりw
絶対城先輩も覚悟を据え、礼音は礼音で自分と絶対城先輩との関係について目を逸らさないように決めたためか、当人たちの想像以上に何とも甘やかな雰囲気が流れてしまって、ラブですか? ラブ寄せですか? みたいな感じになってきましたよ。正直、晃はタイミング遅すぎたような気もするのですけれど、いやでもむしろ絶妙のタイミングで三角関係となるべく割り込んできた、と考えるべきかこれは。礼音煽る気満々だよなあ、晃さん。

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