人生 第10章 (ガガガ文庫)

【人生 第10章】 川岸殴魚/ななせめるち ガガガ文庫

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「どんなものにだって、いつかは終わりが来るものなの。新しい一歩を踏み出さないと」
第一新聞部と第二新聞部の合併。その結果、九文ジャーナルは終了となりお悩み相談コーナーも最終回を迎える。どうせ最後ならと、お悩み相談コーナーの面々は自分たちのお悩みを持ちよることに。勉強する気にまったくならないいくみ、自己主張できる人になりたいふみ、コミュニケーション能力を上げたい絵美、部活で会えなくなることを寂しがるアリーナ……。そして、赤松は赤松で大きな悩みを抱えていた。それは、宿敵であるところの生徒会長・白河香織になぜか告白されてしまったことだった! 彩香のアドバイスを鵜呑みにしてきちんと否定しなかったことで、学校では公然のカップル扱い。副会長をはじめとする香織のファンたちには命を狙われる日々。そんななか、梨乃のアメリカ留学が発表され……?
赤松は、梨乃に勘違いされたまま別れを迎えてしまうのか?
素直になれない梨乃と赤松の恋路は果たして――。

大人気ゆるゆる人生相談コメディ、ついにフィナーレ!
人生オワタ。
最終巻の人生相談は、お悩み相談コーナーの面々自らが悩みの相談をすることに。わりと真面目な、それもそれぞれ今までの自分を変えたい、という相談なんですよね。この子たちって、みんなマイペースで自分の在り方に疑問を一切持っていないような娘たちで、だからこそその理念に則った答えを受けた相談に返していたわけだけれど、こんな風に今までの自分じゃいけないんじゃないか、と思うようになったということは、この面々との付き合いの中で自分と全く毛色の違う人種と深く仲良くなってしまったことで、改めて自分を見つめなおす機会を得た、という事なのだろう……なんて真面目な話かどうかは怪しいけれど。
でも、相性最悪だったいくみと梨乃があれだけ仲良くなるくらいだものね。もうこれイチャイチャしてるんじゃないか、というくらいの勢いでイチャイチャしてましたからね。実質それプロポーズじゃないのか、というくらいの勢いで、生涯付き合う親友レベルの話をしていましたし。いやー、あのいくみを一生面倒見るのは自分は勘弁願いたいなあ。殆どの人間は勘弁願いたいだろうなあ。梨乃さん、もう一生いくみという手間暇の掛かるペットを飼うくらいの覚悟が必要ですよ、それ。この少女なら、梨乃さんが結婚しようと新婚だろうと、平然と家庭の中に潜り込んできて面倒見てもらおうとしますよ。そのへんの遠慮とか皆無ですよ。捨てても勝手に帰ってきますよ。えらい約束してしまいましたね。
あと、ふみは今までも自己主張はけっこうしていたような……。わりと押し強かったよ? けっこう強引なところありましたよ?

さて、何をまかり間違えたか、赤松に惚れてしまった生徒会長。うん、それは間違いなく気の迷いです。あの高飛車娘がデレた、というべきところなんでしょうけれど、これほど「勘違い!」と言い切れるデレも珍しい。
さすがに、あれだけ梨乃といい感じになっておきながら、香織のアプローチにいい加減な態度取れないよなあ……と、思ってたら、とったよこの野郎! そこでなあなあで濁せ、とアドバイスする彩香も酷いけど。梨乃との関係知っていながらアドバイスしちゃう彩香は本当にゲスいと思うけれど、そのアドバイスに従っちゃう赤松も十分ゲスいです。これ、内心で香織にもいい顔したいとかあわよくばちょっといい思いしたいとか、予想外にモテて浮かれてた、という部分がないとんなアドバイス聞かないですよね。この血族は何気に俗すぎるw
梨乃も可哀想である。真面目な子だから、何事も深刻に捉えがちな面倒くさい娘なのだから、もうちょっと大切に扱ってあげないと。
実は最後までにはもうちょっと進展するかと思ってたんだけれど、まあ初心な二人にはこのくらいの塩梅がいいのかもしれない。仄かにゆっくりと、仲睦まじくなっていけばいいさ。お幸せに。

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