盟約のリヴァイアサン (7) (MF文庫J)

【盟約のリヴァイアサン 7】 丈月城/仁村有志 MF文庫J

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竜の力を使いすぎた結果、ハルの身体のドラゴン化は進行の一途を辿っていた。事態を重く捉えた織姫たち魔女は、ハルに人間としての強い充足感を与えることで、どうにか症状を回復させることに成功していた。しかしその脅威はやがてハルの記憶さえも蝕んでいくことになり…。時を同じくして東京湾に突如、小島が出現する。直ちに調査を開始するハルたちだったがそこで出会ったのは、「ひさしいな、春賀晴臣。弓の竜弑しを継承した者よ」人間界に潜伏し続け、傷を癒したパヴェル・ガラドだった。そんな最中、ガラドに続き雪風の姫も現れ、東京湾上に嵐が吹き荒れる―!至高のドラゴン・エンタテイメント、決戦の第7弾!
こ・い・つ・はー! 丈月作品の主人公は多かれ少なかれ女好きだけれど、このハルはその中でも一番すけべえだよなあ。しかも、ムッツリスケベ。一見、淡白そうに振る舞っておきながら、その実一番エロスへの執着心が強いというのは……。ドラゴン化によって完全に人間としての理性を喪ってその本性が剥き出しになった時に、ひたすら女の子の裸体に興味津々になって鼻息荒くしているのを見てしまった時は、さすがに力が抜けてしまった。でかい図体して、その仕草が小動物チックで何となく可愛らしく保護欲抱かせるあたりが、なんかむかつく(笑
にしても、本当にこいつはー。完全正統派ヒロインにして清純の極みであり貞淑で本来ならエッチな事には遠慮がちで縁遠いであろう十條地織姫に、なんつー事をさせるのか。元より羞恥心に難がある肉食系のルナや、従順で何でも言うこと聞いてくれそうな妹系の羽純だと、ここまで唆られないのですけれど、織姫がああいうことをしてくれると価値が違うというか、あの恥ずかしさを我慢して頑張ってる感が素晴らしい。ガードが固い子が無防備に全部受け入れてくれる態勢に入ってる時ほどソソられるものはありませんなあ。

さて、ドラゴン化の進行が早まり、人間としての記憶を失いつつあるハルに対して、パヴェル・ガラドからの再戦要求。正々堂々の真っ向勝負、という脳筋勇者プレイを一旦畳み、ハルを見習ってなりふりも手段も選ばぬ戦術と作戦と小細工を練りに練って挑んでくるガラドは、これまでの力押しの面々と違う手強さで、でもある意味ハルと噛みあう戦闘が繰り広げられた、と言えるんじゃないだろうか。これまで圧倒的に力で上回る相手に対して、手を変え品を変えて主導権を握り、翻弄し、勝利をもぎ取ってきたハルだけれど、こうして相手の手を読み合い、策を潰し合い、という作戦面での攻防はこれまであまりなかったシチュエーションでしたからね。これはこれで、今までになく噛み合った戦いだったんじゃないでしょうか。それだけに、人間としての智を喪った時のハルの弱体化は目を覆わんばかりでしたが。いかに迦具土の竜体をベースにしているとは言っても、ハルが人間としての狡っ辛さを失ってしまうと途端に並以下のドラゴンになってしまうんですよねえ。怒りや魔獣化によってパワーアップを果たすシチュエーションは山程ありますけれど、本作に関してはそちらの強化は逆に弱体化になってしまう、というのが今回の一件でハッキリしてしまったわけで、ハルのドラゴン化はぶっちゃけ良いこと何もない、という事になってしまうんですよねえ。
だからこそ、女の子たちには頑張ってエッチい刺激をハルに与え続けることで、ハルのムッツリスケベ心を満足させて、人間側に引き止めて貰わないといけないわけで、よしもっとどんどん殺り給え。

と、そんな女の子同盟から見事にはじき出されていたアーシャ。昨今の急激な女子力アップが、ヤバイドーピングの結果というのが明らかになってしまい、ヒロインたちが女の子として頑張ると同時に魔女としてもメキメキ力を伸ばしている一方で、このダメっ子は真逆の方向に進んでいたわけかw
魔女としてもダメになってちゃ、本当にダメじゃないかw

挙句に、一人でさらに軽々と飛び越えてはいけないところを飛び越えて、女の子どころか人間辞めちゃうし。これも一つのやりたい放題、ということになるんだろうか。まあ、アーシャは女子力高いよりはこのどうしようもない残念感をまとっていた方が、存在感は全然高いんですけれど。女子力の向上とともに「こいつだれ?」的に存在感が薄まってたもんなあ(苦笑

女子力じゃなくて、魔女力の方だけれど以前から心の闇や暗黒面が殆どない為に魔女としての資質に欠ける、と言われていた織姫と羽純。一応、ハルからのフィールドバックで一流の線上に乗っかっていたけれど、このままだと魔女としての成長に何らかの支障が出るのか、と危惧していたら土壇場でまさかの展開に。なるほど、織姫たちを黒化させるのは彼女たちの清純な魅力を損ないかねないからどうするんだろう、と思っていたんだけれど、魔女としての短所をそのまま反転させて長所にする形でのパワーアップがあったか。でも、これってもう魔女じゃなくて、聖女様ですよね!

シリーズ感想