デート・ア・ライブ (13) 二亜クリエイション (ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 13.二亜クリエイション】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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クリスマスも過ぎた一二月末。五河士道は空腹で道ばたに倒れていた第9の精霊、二亜と出会う。「このままじゃ次の原稿を落としちゃいそうなのよ…」二亜の自宅でなぜか漫画作業を手伝うことになった士道は、彼女がDEMに囚われていた精霊だということを知り―。封印するため、二亜リクエストの秋葉原デートをするのだが…。「実はあたし…二次元にしか恋したこと、ないんだよね…」そのデート中、二亜から衝撃の発言を聞いてしまい!?二次元の世界に没入する、オタクで漫画家の精霊を次元のハードルを乗り越え、デートして、デレさせろ!?
DEMに囚われていた第9精霊って、精霊に纏わる物語の核心に最初から居た精霊なのかと思っていたけれど、そうじゃなくて精霊に関する情報源という意味合いの存在だったのか。第9精霊の登場そのものが、物語をもうストップすることなくクライマックスへと走らせるイグニッションキーだと思っていたので、悠長にいつもどおりのデートがはじまるような粗筋にあれ?と首をひねっていたのですけれど、なるほど納得。
あくまで、核心に関わる存在は限定されているのね。どうやら、その中には士道もいるみたいなのだけれど。
いずれにしても、これまでの精霊の中で「お姉さん」タイプというのは初めてだったので、何気に新鮮。二次元オタクというわりには非常に社交的でコミュニケーション能力も高いタイプだったので、これなら七罪の方がよっぽど面倒くさかったですよね。実際、七罪の攻略には2巻かかりましたし。
ただ大人ということは、それだけしっかり割り切りがハッキリしちゃっているわけで、初心な少年が攻略するのって不安定な年頃の少女たちと比べると圧倒的に難易度高いんですよね。むしろ、二次元しか愛せない、という突破口があるだけマシだったんじゃないだろうか。これ、普通の感性の女性漫画家だったら士道ではちょっと太刀打ち不可能だったんじゃなかろうか。その能力を原因とする人間に対する不信感と、その奥底で燻っている本当に信頼できる人間は居る、という期待感。士道の一番の武器は何はなくともその誠実さだっただけに、実のところ士道との相性という意味では二亜姉さんって精霊全員の中でもトップクラスなんじゃなかろうか。まあ、精霊達みんな士道の誠実さにやられているわけですけれど。
最初の頃は精霊の攻略というと、ラタトクスのサポートがあったとはいえ士道が一人で頑張っていたものですけれど、仲間になった精霊が増えだした最近ではみんなが一丸となって協力して精霊の攻略に当たる展開になっているのが、何気に面白い。その中で、特に目立つのが内気で最初は尻込みしているのにいざ事が始まると一番頑張り屋さんな七罪と、姉妹勝負であらゆる事に精通している八舞姉妹なんですよね。七罪は、なんかこの頃は十香にも増して、士道に救われたことでこれまでの生き方を一変して、自分を好きなろうと頑張っている、成長しているキャラになってるんですよねえ。今、一番輝いてるんだよなあ、この子。
そして、万能すぎるのが八舞姉妹。いや、本当にこの娘ら出来ないことはないんじゃないか、というくらい何でも出来るんですよね。どんな状況に直面しても、この二人はとりあえずある程度以上にその事柄に修熟しているので、そこを突破口として事態を打開していけるのである。戦闘面じゃないくても、この二人が切り込み隊長
なんだよなあ。それが、地味に頼もしい。

さて、二亜がDEMに囚われていた時に行われていたことが、想像以上にえげつなかった件については、そろそろいい加減このDEMに対してガツンとやってほしいなあ、という欲求が高まっている。半封印状態の精霊たちでは全力が震えず、どうしても連中に遅れを取ってしまうのがだいぶストレス溜まってるんですよね。
もう予想以上に外道で邪悪であることが徐々にわかってきている連中なだけに、そろそろ反撃のターンが欲しいよなあ。
そして、二亜がもたらした精霊の真実。これは、おおよそ想像がついていたことでもあるけれど、こうして明言されてしまうと思うところもあるわけで。出自が完全に不明な精霊達も、こうなると帰る所や家族がある、かもしれないわけで。そのあたりも突っついてくるのかな。

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