運命に愛されてごめんなさい。 (3) (電撃文庫)

【運命に愛されてごめんなさい。 3】 うわみくるま/智弘カイ 電撃文庫

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軍縮政策で(僕の)シイナが拉致られる!?
予言の秘密に迫る学園運命録第3幕!!

予言により朝倉会長失脚!! ついに僕が政権へ復帰する時だ!!
……と思ったのに、次の会長はその予言をもたらした転校生本人だった!? しかも彼女・オリヴィアの軍縮政策によって、シイナが生徒会に連れ去られるだって!? これは僕とシイナを別れさせようとする陰謀に違いない!! ゆるせん!! 僕は必ずや、シイナを権力の横暴から守りぬくぞ!!
そのためにも、まずはオリヴィアの足を舐めてくる! ……何でかって? かわいいからさ!!
結局、最後まで訳の分からない設定部分はそういうものだ、という前提として全力で放置して、バカに徹して突っ走ってしまったけれど、その勢いや良し!
一巻の感想からして、勢いだけだけれどその勢いだけで最後まで見事に突っ走ってみせた、というものでしたけれど、遂に2巻、3巻と巻を重ねてもまるで減速する様子すら見せず、日和らず迷走せずブレずに一貫して勢いに任せ、しかし話を取っ散らかさずまとめてみせたんだから、本当に大したもんです。主人公の純くんも、一切ブレずにゲスっぽい小悪党のまんまでしたしねえ。最後の最後までまったく改心しなかったもんなあ。野心家で権力欲に塗れていて自分に正直すぎて、それでいて、全然憎めない愛嬌のあるキャラクターがまた小憎いというかなんというか。シイナも男の見る目が無いのか何なのか。口では悪態をつきながらも、態度だけ見るとデレデレなんですよね、シイナって。これぞクーデレってやつなのか。いや、ツンツンはしてるからツンデレなのか? そっけない態度のようでいて、ずーっとベッタリでしたしね、純に対して。結局、シリーズの最初から最後までずっと張り付きっぱなしだったんじゃないだろうか。二人が離れてるシーンって殆ど思い出せないくらい。
さて、これまでの1巻、2巻は純くんが無駄なのかそれとも彼が好き放題動きまくったことで定まったのかはわからないけれど、結局予言の通りに運命は決着していたのだけれど、ついにこの3巻では本気で運命を、予言を打破することが最大目標となって物語は動いていきます。これまでは、目的を達成することが結果として予言を覆すことになるものだったのだけれど、今回は運命を打破することそのものが目的でしたしね。次々と繰り出される予言は、オリヴィアに好都合なものばかり。予言は偽物であると証明し、打破しなければいけない、という話が、ついには本物の予言を、定められた運命を本当にぶち壊す、そういう激動の展開へと突入していく本編。なかなかカッコいい主題にも関わらず、純くんの言動たるや一貫して目先の欲に全力で流されていく小悪党プレイ。まあ毎度のことであるが、この小悪党の行動力と実行力と口八丁手八丁による扇動力は大したもので、場当たり的にしか動いていないのにどうしてこうも周りごとシッチャカメッチャカになっていくのか。
その混沌としたハチャメチャっぷりこそが、本作の魅力だったんだろうけれど、うん確かにそれこそが楽しかったんだろうなあ。
結局、この3巻で締められてしまいましたけれど、ぶれない勢いが実に楽しく面白い作品でした。次作も変に沈滞せずに、この勢いの良さを失わないで欲しいものです。

シリーズ感想