サ法使いの師匠ちゃん (GA文庫)

【サ法使いの師匠ちゃん】  春原煙/狐印 GA文庫

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胡散くさカワイイ!? 新・外道ヒロイン爆誕

魔法使いを凌駕する伝説の救世主、『サ法使い』。
だが、落ちこぼれ魔法使いジェラールが召喚できたのは――

「何なのそれ? あたし可愛すぎるだけの普通の高校生なんだけど?」

なんだか胡散臭い女子高生・鷺坂詩子だった!?

「あたしの自己啓発セミナーで、ハッピーライフにステップアップしちゃおうよ。
新しい自分を見つけられたら、心のパワーで魔法とかジャンジャンバリバリになっちゃうから
(※あくまで個人の感想です)。乗るしかない、このビッグウェーブに! 」

ナンパにセクハラ、怪しげな精神論などテキトーな修行で、
弟子のジェラールを鍛えたら、ついでに世界も救っとく?
第7回GA文庫大賞優秀賞作。異世界ファンタジー魔法コメディ型詐欺!!
師匠ちゃん、面白えぇ!!
というわけで、粗筋に速攻で詐欺とか書いてますけれど、サ法とは人呼んで詐法。召喚された胡散臭い女子高生は、高名な詐欺師の一族の血を引く娘さんだったのです。母親が自己啓発セミナーをやってる、という時点でかなりライン跨いじゃってますw
でも、詐法と言っても師匠ちゃん、殆ど人を騙すようなことはしてないんですよね。心理学や詐欺師の手法、弁論術などをやりたい放題駆使して面白おかしく色々とやらかすわりには、変な嘘は付かないし何かを誤魔化したり騙したり、他者に被害やダメージを与えるような真似はしないのである。なので、享楽的に好き勝手している胡散臭い人物なのに、凄く信頼感を抱かせてくれるんですよね。師匠と呼ばれるだけあって、実に頼もしい。いや、詐欺師というのはまず信頼されないといけないので、誠実さや明るさ、人懐っこさが大きな武器だというのはわかるんだけれど、彼女の気持ちいい人誑しっぷりは本気で詐欺師として騙しに掛かったらそれこそ手に負えない凄まじさなんだろうなあ。でも、彼女は決してその一線を超えないので自由奔放なその陽性の魅力だけが残るわけで、彼女を召喚したジェラールと仲良くなったゴブリンの戦士、ゴブ子ことロザリアを引っ掻き回し弄り倒し、と忙しないけれど笑顔の絶えない日々が続くのである。
この三人で暮らしている頃が一番楽しそうだったんですけどね。別に、この三人の閉じた世界を続けても良かったんじゃないか、と思ってしまうくらい。
とはいえ、当初の目的通り御前試合に出場することになったのだけれど、相手の魔法使いに対する師匠ちゃんの精神攻撃、口撃のひどいことひどいことw
特にあの某朝○新聞ネタには、不覚にも思いっきり爆笑してしまいましたがな。あれはもう、なんというか禁呪扱いでいいんじゃないだろうか。天の声を人が語るような超上から目線の精神をささくれ立たせるイラッと攻撃。色々と最強すぎるw
一方で、味方のジェラールやロザリアにはメンタルケアを思わせる心理カウンセリングで精神面から支えて、と縦横無尽の大活躍。いや、この人本当にベラベラと喋っているだけなのに、場も物語も全部彼女中心にぶん回していたわけで、なんだかんだと凄い存在感でした。あと、可愛い。超自信満々に振る舞いながら、所々にドキッとするような乙女らしい素振りを垣間見せてくれたりして、普段セクハラ上等の積極的な振る舞いしながらそんなチラリズムをされると……あかん、この人結婚詐欺も多分、得意だw
でも、何気にジェラールの方も天然でジゴロな資質があるようなので、相殺はされてるみたいなんだけれど、こんな二人の間に挟まれた素人でも簡単に騙せそうなほどチョロいロザリアが、もう好き放題二人に転がされてる感があって、でもこれはこれで天国にいるかのような幸せ具合なんだろうかw

物語を引っ張る師匠ちゃんが、何しろノンストップでイケイケガンガンな娘さんなので、作品のテンポも実にリズムよくぐんぐん進んでいくのだけれど、彼女の明るく淀みをふっ飛ばすような痛快な振る舞いがそのイケイケドンドンっぷりに拍車をかけて、実に後腐れなく楽しい、すっきり笑える気持ちの良い良質のコメディでした。
あー、面白かった!
これは、まだまだ師匠ちゃんとジェラール、ロザリアの三人トリオのドタバタコメディを追っかけたいなあ。