俺、ツインテールになります。 10 (ガガガ文庫)

【俺、ツインテールになります。10】 水沢夢/春日歩 ガガガ文庫

Amazon
Kindle B☆W

<死の二菱>隊長・ティラノギルディに、自らのツインテール属性を奪われてしまった総二。彼は、無気力になるだけでなく、激しい苦痛に襲われる。奪われた属性力は、ある程度の時間が経ってしまうと、持ち主の元に戻せなくなる。そして、ツインテール属性と総二とのつながりが完全に切れてしまったら、この世に存在するテイルレッドの写真や動画は、一斉に総二の姿と入れ替わり正体が露見してしまう……!? 愛香たちは、思い思いに総二を誘惑して気力を保たせようとするが、はたしてその効果は? そんなツインテイルズたちの苦悩をよそに、<死の二菱>は残る戦力を結集し総攻撃を開始する。それを迎え撃つ愛香たちだが、総二という心の支えを失い、彼女たちにもまた異変が……。テイルレッドに変身できず無力さを噛みしめる総二。想像を絶する全力を解放するティラノギルディ。果たしてツインテイルズは、この最大の危機を乗り越えることができるのか!!

宇宙一のツインテール馬鹿、観束総二よ。属性力を失った今、お前は何を心に結ぶ――!?
『俺ツイ』史上最高に熱い戦いを見逃すな!!
そうか、そうだったんだ。そうだよね、そりゃそうだ。ずっとあの変身の掛け声「テイルオン!」には違和感じゃないけれど、バチッと火花が走るような痺れを感じられてなかったんですよね。変身ヒーロー、変身ヒロインの掛け声ってやっぱり燃えるものじゃないですか。それが、本作では変身シーンそのものには燃えても、掛け声に触発されてこっちも燃える、というのとはタイミングが少しずれてたんだ。そう、物足りなかったんだよ。気づいてなかったけれど、テイルオン!じゃあ足りてなかったんだ。
よくぞ、よくぞここまで温存しきったものである。そんな、二桁巻数に達するまで大切に守り続け、温存し続けたそれを、ここで使うほどの、使って然るべきの、最大の激戦だったのだ、これは。
今まで、あのドラグギルディしか成し得なかった最強属性を降誕させたのだから、ティラノギルディはやはり……。敵であろうと、簡単にパワーアップさせないのがこの物語なのである。敵もまた、主人公サイドと同じように苦しみ悩みのたうち回って壁を乗り越え、壁をぶち破り、今までの自分を脱ぎ捨てて、真の誇りを手に入れる、自分の中の真理にたどり着く、戦うための理由を勝ち取る、そうしてやっとパワーアップするのだ。最強の存在へと至るのだ。それを、敵と味方、ツインテールズとアルティメギル双方がやり遂げた末に、お互いの全力を振り絞り、引き出し合って矛を交えるのである。そこにあるのは、憎しみでも怒りでもない、お互いへの尊敬であり理解であり、それはいっそ友情と言っていいほどの深い交感なのである。
さながらツインテールのように、双方がリスペクトしあい、全力を発揮できる何かを手にしてこそ、物語は最高潮に達するのだ。不器用で臆病な孤高の最強ティラノギルディ。彼が最も望み求めたものが得られた時、テイルレッドはその前に立ちふさがるのではなく、ティラノギルディが手に入れたものの価値を証明するように彼の前に立つ。そして、観束総二もまた、己をツインテールそのものにしてしまうほどの一心不乱の狂奔を振り返り、手放して、ようやく見出した自分が愛したツインテールが己や周りにもたらすものの真の意味を見出した時に、ツインテールの本当の素晴らしさを示すように立ったのはティラノギルディだったのだ。その佇立は立ち塞がるためではなかった、妨げるためでもなかった。お互いの進む先にお互いが居て、そうして向き合い戦うことで、お互いが求めたものを真に理解しようとしたのだ。それは、問いかけ合う問答のようなもの。戦いは血を流すためでも魂を消費するためでもない、その手に愛を掴むために、その胸に愛を抱くために、その髪に真の愛を結ぶために。
だからこそ、最期のティラノギルディの嘆息に共感してしまうのだ。違う、そうじゃない。こいつ、全然わかってないw
百合属性に諭されてなお及ばない理解度。さて、ツインテールに極振りのこの男に、どうやって色を教えたものかしら。

あと、台無しな言い草だけれど……。みんな、ツインテール解いた髪型の方が美人ですね!!
特に桜川先生は……いやこの人も最近なんで結婚できないんだろう、というレベルのイイ女になってきてるなあ。

シリーズ感想