セブンスターズの印刻使い2 (HJ文庫)

【セブンスターズの印刻使い 2】 涼暮皐/四季童子 HJ文庫

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学園迷宮の攻略後、アスタの下に、かつての仲間である《七星旅団》の七番目《天災》メロ=メテオヴェルヌが来訪する。
一流の冒険者として未だ活躍している彼女だが、家に転がり込んできた時には無一文。
彼女がいることでお金が心もとなくなったアスタは、高額のバイト料につられて郊外のダンジョンへ、メロと共に赴くことになったのだった――。

おお、フェオってこういうデザインになったのか。黒髪ストレートというのは、ちょっと意外だったかも。もっと活発系のイメージでしたからね。まあ、今回同時に活発系の最たるキャラであるメオが登場することですし、ビジュアルイメージが被るのもなんですしね。それに、フェオは今後もメインヒロインの一角として頑張っていくキャラなので、レヴィやピトス、シャルとの対比からしても黒髪ストレートというのはなかなかツボをついたチョイスなのかもしれない。
いわゆるチュートリアルだった一巻(にしてはいきなりハードモードでしたが)から、この2巻はそれぞれキャラクターが主体的に動き出します。尤も、それは積極的に動く理由のあるキャラから、ということでアスタやシャルなんかはまだ受け身の段階なんですけどね。まず一番最初に主体的に動き出しているのが「ピトス」というのは相応の注目点なのかもしれません。
いずれにしても、主体的にせよ受動的にせよ、動くからにはそれぞれ手持ちのカードを段階的に開いていくことになります。この作品、主要人物がとにかく山程ジョーカーを抱え込んでいて、手の内を隠してるんですよね。一巻でパーティー組んだ、学院のエリートたち。彼らも、学院史上歴代屈指の天才たち、という謳い文句で散々持ち上げられてましたけれど、実のところその段階ですら手の内はまだ殆どと言っていいくらい見せてませんからね。
この作品の一貫した主軸として「魔術は理解不能であればあるほどつおい」というのがあるんですけれど、これを主要キャラはみんな忠実に堅持してるのがまた読んでて面白いんですよねえ。
「わけわかんないけどすげえ!」というのを、手を変え品を変え魅せてくれるのです。その最たるものが、アスタその人であり、セブンスターズの面々なのですけれど、その「訳の分からなさ」も登場人物の特色に合わせてまた全然違うのが面白いんですよねえ。アスタにしても、メロにしてもその魔術の「意味不明」さ加減については極まっているのですけれど、その方向性は全然違うわけです。いや、ほんとにねえ、この何をやってるのかも何をされてるのかも、何が起こっているのかもわからない意味不明さ、理解不能さ、未知に未知を重ねたような有様を、白熱と緊迫のシチュエーションでみせてくれる演出力は希少価値高いと思うんですよねえ。
メロの反則っぷりに呆れ返っているアスタですけれど、自分の戦い方の意味不明さの方もどっちもどっちですよ、これは。対木星戦の手管と来たら、もうねえ。
余裕ぶっこていた敵が「!????」と度肝を抜かれて翻弄される、というのはやっぱり痛快なんですよねえ。

さて、メインヒロインと見せかけて今回は殆ど出番のないレヴィに代わり、アスタとダンジョン探索のパーティーを組むのは義妹のシャルとアスタたちに反発をみせるフェオ。まあでこぼこトリオとなるのですけれど、シャルが地味にボッチということが発覚してしまって、ツライ(笑
まあこれはシャルが面倒くさい自己認識を抉らせてしまっているのが大きくて、さらにそこからコンプレックスだのを抱え込んでいってさらに面倒くさくなっていってしまうのだけれど、アスタも一応義理の妹なんだからこの段階でもう少し踏み込んで構ってあげればよかったんだろうけれど、アスタはアスタで色々と忙しかったから仕方ないのか。
メロの襲来に参ってた、というのもあるでしょうし。メロとの再会は、彼女の大迷惑具合に疲弊してしまうというのもあるんでしょうけれど、遠慮呵責のない分容赦のないメロの指摘が、アスタ自身の逃避を突きつけてくる、という件もありましたからね。メロがグリグリとアスタの生乾きの傷を抉ったからこそ、アスタも燻っていられなくなった、というのもありますし、メロの襲来こそがトリガーになったのか。

今のところ、クラン「シルバーラット」に何が起こっているのかもわからない、かなり靄の掛かった段階でラストのピトスの不穏な再登場で次に続いてしまいましたからね、早いところこれは続きを出してもらわないと。
フェオにももっと可愛い所見せてもらわないといけませんし。

1巻感想