妹さえいればいい。2 (ガガガ文庫)

【妹さえいればいい。2】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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妹バカの小説家・羽島伊月は、人気シリーズ『妹法大戦』最新巻の執筆に苦戦していた。気分転換のためゲームをしたり混浴の温泉に行ったりお花見をしたり、担当への言い訳メールを考えたりしながら、どうにか原稿を書き進めていく伊月。彼を取り巻く可児那由多やぷりけつ、白川京や義弟の千尋といった個性的な面々も、それぞれ悩みを抱えながら日々を生きている。そんな中、伊月の同期作家で親友・不破春斗の『絶界の聖霊騎士』のテレビアニメがついに放送開始となるのだが――。
妹と全裸に彩られた日常コメディ、第2弾登場!!
一話から救いようのないくらい終了してしまってるアニメって……。いや、無いことがないのが恐ろしい。
原作者からすると、そりゃあショックでしょうねえ。誰も糞アニメにしようと思って作っているわけじゃない、と言ってもさ、事実クソアニメなんですから。実際問題、アニメ化というのは原作者サイドにとっても色々と手間暇増えるわけで、アニメ制作に深く関わらなくても、あいさつ回りや打ち合わせに出たり収録に顔出したり、色々資料をまとめて提出したり、反映されるかわからないけれどチェックしたり、アニメ化イベントや特典物に関するあれこれに従事したり、とアニメ放送に合わせて新刊が組まれたり、とそれまでの執筆生活とはガラリと変わるスケジュールが詰め込まれるわけです。
どうやったって、ただの傍観者じゃいられないんですよねえ。そうやって普段のペース崩してあれこれ頑張った結果、自分の作品がクソアニメとなって出てきたら、心折れますよ。落ち込まずに耐えれる人って、そんなに多くないと思いますよ。
酷いアニメ化じゃなくても、やはりアニメ化作業によってペース崩して、それまでから刊行ペースが激減してしまう人も珍しくないわけで。
一方で、成功すれば原作も売れてウハウハ、モチベーションもあがってワハワハ、となるわけですから、いずれにしても大きなイベントなんですよねえ、アニメ化って。
でも、どんな失敗も成功も、当事者以外にとってはどうやったって他人事なわけです。親密な友達なら心配し、同情することもあるでしょうけれど、京ちゃんみたいに本気で泣いて悔しがってくれる人はほんとに良い子なんだよなあ。これは惚れても仕方ない。
ただ、これで人間関係はより複雑化してしまう形になるのだけれど、伊月や京がグダグダやってて進展のしようがなかっただけに、春斗のこの積極性はむしろ好感が持てますね。伊月の、今の生ぬるい楽しい友人関係をいつまでも続けたい、というのもわかるんですけどね。制限時間のある学生時代ならともかく社会人でこれだけ日常的に友達が家にきてグダグダ遊んでってくれる環境を崩すというのは、勇気のいることだと思うし。それにしても、那由多のあのアプローチを袖に出来るというのは信じられないけれど。那由多も、変にルーチーンになってしまってて、伊月から本気で受け止められてないというのもあるんでしょうけれど、シチュエーションというか雰囲気って大事なんだなあ。だからこそ、那由多の同棲作戦はわりとイイトコロついてたんですよね。あれ、ちゃんとやれてたら何気に陥落してたんじゃないだろうか。