ラストエンブリオ (2) 再臨のアヴァターラ (角川スニーカー文庫)

【ラストエンブリオ 2.再臨のアヴァターラ】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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アンダーウッドを守るため、精霊列車“サン=サウザンド”号に乗り込む焔たち。しかし、疾走する列車の前に新たな襲撃者が現れる!すぐに鈴華を中心とした弩砲作戦で対抗するが、“天の牡牛”の猛攻も始まり大ピンチに。激しい雷撃と巨大な水流が迫る中、彩鳥が下した決断とは!?一方その頃、外界で調査を進めていた十六夜たちの前にも謎の敵が出現する。彼らは最強の王群“アヴァターラ”を名乗り―!?
釈天さんも結局はインドラかー。親の心子知らずというけれど、この場合は子の心親知らずですよねえ。彼の無念というか後悔、凝りとなって残っているものは言わばインドラのせいなのに、当のインドラはその件についてまったく頭に残っていない上に、息子は一点の曇りもない素晴らしい人生を送った、と思ってるんだから、これはむしろ息子さんの方に同情してしまう。それでもなお、父親に認め祝福されて心残りを晴らしたかった、と思ってる彼は健気で良い息子ですよ。その無念を利用されているのかもしれないけれど、こればっかりはねえ、釈天さんが悪かろうと思ってしまう。
ふと思い巡らせてみると、インドラと息子さんのみならず、今回は父と子、保護者と被保護者との反発と不理解というのが色んな所でみられるんですよね。焔、鈴華と十六夜もそうですし、アステリオスもその由来は父親によって切り捨てられたものですし、ついに登場した平天大聖・牛魔王もどうやらその正体、というのは変か、その現身からして深く焔たちと関わってるみたいですし。
てっきり、再びがっつり箱庭世界でのストーリーになると思ってたのですけれど、むしろ箱庭世界と現代に地球が密接にリンクした話になるのか。焔たちもどうやら、箱庭世界と現代を行き来しながら太陽主権の争奪戦に参加するみたいですし。って、まだこの段階でこれだけ壮大な規模でドンパチやりながら、まだ件の争奪戦、開会式すらはじまっていない予備戦段階、というのがとんでもないなあ。既に今の段階で尋常でない階梯の神仏や王、仙人や英雄、怪物が登場してるというのに。
今、顔見せしたメンバーだけでも、最強の王群“アヴァターラ”というのは伊達じゃないんですよね。盛りすぎだろう、と思うくらい。申公豹でも反則級じゃないかい? いや、インドラの息子さんの段階でアレなんですが。申公豹は、この無節操なトリックスターっぷりを見ると、本邦翻訳版ではなく正しく原作版のキャラクターみたいっすねえ。
どう考えても、焔サイドが劣勢どころじゃない弱小なんですけれど、今回まさかまさかのメンバーが仲間入りしたのを見ると、こちらもあっちゃこっちゃの神話伝承群から仲間を得ていく流れになるんだろうか。
一方で、あのジンくんが立派に成長して、立派に暗躍しているようですし、今の“アヴァターラ”って結局、殿下と一緒にジンがウロボロスから独立させた魔王連盟なんですよね。今や、第二次太陽主権戦争の優勝候補だってんだから。ペストがきっちりジンの脇を固めて元気そうなのに、ほっこり。昔は背丈一緒くらいだったのに、今となってはジンってだいぶ背が高くなってるらしく、並ぶとかなり差があるらしく、その絵図を想像するとさらにほっこりw

ぶっちゃけ、話がまとまってみると確かにこれ、本番前の前哨戦、或いはスタート前の準備段階、場を整え戦うための目的意識と覚悟とを得るための話だったんですよねえ。祭り前のワクワク感が募ってきましたよ。
あとはもうちょい、彩鳥さんのリハビリが必要か。本人が痛感していることだけれど、フェイスレスだった頃の彼女と比べると凄まじく鈍ってるからなあ、今の彼女。お師匠様が激おこプンプン丸なのも無理からぬ。ってか、お師匠様の一人って、あの人だったのか。他の作品では全身タイツ女やってる……。でも、なるほど女王騎士で師匠枠とれるような英傑って、確かにこの人レベルでないとなあ。