電波な女神のいる日常2 (講談社ラノベ文庫)

【電波な女神のいる日常 2】 望月唯一/しもふりおにく 講談社ラノベ文庫

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夏休み。セレナとの生活にも慣れてきた俺だが、ある日実家から戻ってくるよう言われてしまう。だが、セレナを引き留めておいて、自分は実家が直ったらさよならというわけにはいかない。すると独り立ちの条件として親から出されたのは、仕送りなしでの生活だった。そこでお金を稼ぐ必要が出た俺は、美桜のアイディアで、テレビ番組の賞金獲得を目指すことになる。種目は―チアダンス。セレナや美桜の協力のもと、俺は彼女たちのマネージャーを務めるが、ライバルに回った里崎が色仕掛けをしてきたり、それを見たセレナや美桜がなぜか機嫌を悪くしたりで…!?女神様と幼馴染とクラスメイトがチア勝負!?ハートウォーム学園神様ラブコメ第二弾!
こ、これは……セレナさん、女神様、これはちょっとあかんのとちゃいますか!? 一生懸命割ってはいろうとしていますけれど、智希と美桜の関係ってただの幼馴染の範疇を完全に超えちゃってるんですよね。一度、深く拗れた末に中途半端な状態で固定されてしまったせいか、お互いにもどかしい想いをしながら関係を持て余してしまっている。肝心なのは相手のことを物凄く大切にしてる、という所がブレてないことでその気持をどう処理していいかがわかってないんですよね。相手との距離感、そしてスタンス。なまじ美桜も智希も年齢のわりには大人びていて、しかも誰にも寄りかからない自立した、一人で完結しているタイプの人間だけに、中途半端な状態でも壊れず破綻せずに今までズルズルと来てしまったんだろうけれど、中途半端であるが故にお互いのことを半端無く意識してしまっているわけである。幼なじみ特有の、空気のような馴染んだ存在、という要素をはらみつつも、いて当たり前、ではなくて常にその存在を、動向を、息遣いを測りながら、感じながら、意識しながら今まで生きてきたわけである。言わば、その人生の少なくない部分を相手の存在が占めてしまってるんですね。
これを、ただの幼なじみと言うには無理がありますよ。そもそもの熱量が全然違う。
それでも、セレナが現れるまではいびつな状態で停滞していたのでしょうけれど、セレナという起爆剤が二人の人生の中に割って入ってきたおかげで、いびつな安定性は致命的なまでに崩れてしまった。特に、智希が自覚的に二人の間にわだかまっていた瑕疵を解消しようと動くようになってしまった。
お互いに、相手をかけがえのない大切な存在、と思えばこそ保ってきた距離が、大切であるが故に距離をあけていられなくなってきたのである。
あまりにも、智希にとって美桜って娘は特別すぎるんですよね。扱いが、他の女性陣と一段違ってしまっている。それは、セレナですらも同様であるように見えるわけです。智希はセレナに対して物凄く親身になって面倒見てて、彼女が背負ってきたものを自分も一緒に背負ってやろうとしているけれど、それがセレナという娘に対する特別扱いかどうかは、ちと疑問なんですよね。智希の生き様からして、クラスメイトの里崎や後輩の詩乃がもしセレナくらい困ってたら、同じように助けるんじゃないかと思うんだけれど、あの泣いていた美桜を掻き抱いて抱きしめたように、セレナや他の娘を抱きしめてあげられるか、というとどうなんだろうね、とね。胸で泣かせてあげることは出来るかもしれないけれど、あんな風に抱き寄せられるか、掻き抱いてあげられるか、というとね……。そもそも、セレナを助けようと思った智希という人間を形作ったのが美桜の存在ですからねえ……。
ってか、夏祭りの際の二人のやりとりって告白以上の熱々っぷりなんですよね。これ、無理でしょう。
女神さま、負け戦です、引き立て役です、ってかキューピットな役回りですよ、それw
メインヒロインは、セレナと美桜の二人ですけれど、これは2−8くらいの戦力差がありそうだなあ。同居、同棲のアドバンテージがセレナにあるとしても、むしろ朝から晩まで一緒にいることで、智希の日常生活の色んな細かい部分に美桜の影をセレナは感じてるみたいですし、厳しいところです。
今回は、助演の里崎女史と詩乃のサブヒロイン勢の活躍、というか存在感も目立ってましたねえ。ってか、里崎さんが色々と精力的で便利すぎるw 詩乃の方は女子力が欠片もないマイペースなやんちゃっぷりが、後輩として可愛いんですよねえ。アホの子ほど可愛い、というやつか。