落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)9 (GA文庫)

【落第騎士の英雄譚(キャバルリィ) 9】 海空りく/をん GA文庫

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七星剣武祭決勝戦当日。一輝は最愛の恋人にして最強のライバルでもあるステラとの一戦に向け、最後の調整を行っていた。そんな彼の前にスパーリングパートナーとして現れたのはこれまで彼が
戦ってきた実力者たち! 《雷切》、《七星剣王》そして《風の剣帝》。
錚々たる面子を前に《無冠の剣王》は自らの牙を極限まで研ぎ澄ませていく!!

「騎士の頂を巡る最後の戦いで、――――僕は君と戦いたい」

かつて交わした約束は、いま現実のものとなり、大会史上最も苛烈で過酷で美しく、そして泥沼のような戦いが幕を開ける!

果たして誓いの先に待つ運命は!? 《最強》と《最弱》、雌雄を決する第九弾!



果たして、裏切りでも強制でも因縁でもなく、ただ純粋に戦いたいという気持ちを以ってこれだけガチで、相手を殺すことすら覚悟して戦う主人公とメインヒロインのバトルがあっただろうか。
ついに、七星剣武祭決勝戦。一輝とステラの約束は果たされ、二人はこの決勝戦の舞台で刃交えることに。
はじまった頃からすると、一輝もステラも見違えるように遠い所に来てしまったけれど、初志貫徹、まさにここに辿り着くために戦ってきたわけで、感慨深くないわけがない。
まさか、最後になってこれだけステラが強大になるとは想像していなかったけれど。一輝の成長はシリーズ中ずっと著しかったわけで、ステラはそのあとを追いかけてきてたわけですからねえ。

最後の決戦に向けて己を研ぎ澄ませる一輝のために、練習相手となる今まで戦ってきた強豪たち。七星剣武祭でも上位ランカーたちが手伝ってくれたわけですけれど、その中でも【雷切】東堂刀華さんは諸星アニキと並んで別格の貫禄でした。やっぱり、刀華さん強かったんだなあ。今更、刀華さん相手に一輝が苦戦するのか、とも思ったんですけれど、どうしてどうして、無茶苦茶強いじゃないですか! 練習とはいえ、冷や汗の出るような攻防が何度も繰り返されて、彼女の底知れない強さを改めて実感することに。
一回戦では最終的に圧倒されてしまった諸星アニキも、改めて戦ってみればパねえ強さで、この二人は今後もどんどん際限なく強くなっていきそうな迫力がヒシヒシと。少なくとも、一輝とステラに置いてけぼりにされてまんじりとしてるたまじゃあないよなあ。
一度でいいから、諸星アニキと刀華さんの再戦も見てみたかったですけどねえ。

そして、何だかんだとスパーリングに参加してくれる王馬兄ちゃん。この人、結局なんだかんだと折にふれて一輝に助言してくれたり手助けしてくれたり、と振り返ってみるとえらい熱心に弟の面倒みてるんですよねえw
もうちょっと妹の方にも構ってあげなよ、と思ってしまうくらいw

一方で、ステラはというと目一杯食べられるだけ腹に詰め込んで、ねぐらで休眠、というアスリートや騎士というより完全に野生動物の体。
ドラゴンに目覚めてから、このヒロインって能力的な意味だけじゃなくて生態的に人間辞めてしまった気がするんですけれどw

決勝戦も、結局最強の騎士同士の決闘、という雰囲気じゃなくて、エンシェントドラゴンにたった一人で竜殺しに挑むかのような、純粋に途方も無い暴力の化身に挑むかのような空気感。
正直、試合前の実況の盛り上げセリフが最高すぎて、笑いながらテンションあがりまくってしまった。そりゃ、プロレスとかボクシングとか、格闘技の選手入場前の煽りは定番ですけれど、もうノリノリですなあ!

試合本番の熱戦は本編を御覧じろ。
ただ、相手が死んでしまうことも厭わない程に、夢中になって強さを求め高め合う戦いは、ひたすら熱く、熱く、愛に溢れておりました。
これはもう、一輝とステラが相思相愛でないと出来ない戦いだったよなあ。

ちょっと気持ちが高まりすぎて、収まりがつかずに「夜の一刀修羅をドラゴンファング!!」してしまったのにはまた笑ってしまいましたけれど。うん、まあわかるよ。若いもの。
わかるのはわかるんだけれど……ステラさん、ステラさん、その準備の良さはどうかと思いますよ! 一輝との約束を思えば、それ必要ありませんもんね! この女、我慢できなくなったら自分から襲うつもりだったんじゃなかろうか。
このお姫様、自覚あるみたいだけれどガチで「淫乱」ですわーw 一輝、捕食されとるw


一応、物語としては七星剣武祭決勝戦でステラと戦う、という最初の目標を達して、区切りは得てるんですよね。読んでいても、すっきりと片がついていてここで終わっても納得できるくらいには。でも、もちろん先への仕込みは首相の思惑も含めて色々と仕込まれており、そしてエーデルワイスの語る魔人の領域とともに、謎の面々のイラストがしれっと載っているあたり、次のステージへの準備も万端なんですよね。これはもう、素直に続きが楽しみです。
まあまずは、恋人の実家に挨拶に行く、という恐怖のわくわくイベントが待っているのですが。

シリーズ感想