ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.9 (電撃文庫)

【ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.9】 聴猫芝居/Hisasi 電撃文庫

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冬の合宿回は温泉と……雪山密室殺人事件!?

やっときました春休み! 心配だったアコも、何とか三学期を乗り切ることができました。本当にありがとうございます。 そして春休みといえば「レベル上げだ!」「みんなで合宿行こうよ!」「えっ」「えっ」。そんなこんなで秋山さんの発案で雪山にやってきた残念美少女・アコたちネトゲ部一同を待ち受けるのは――スノボに温泉に……さ、殺人鬼!? 雪に閉ざされたロッジ、温泉、次々と起こる不可思議な事態、温泉、ぶっ倒れる猫姫さん、そしてゲーム内でも巻き起こってしまう謎のPK(プレイヤーキル)。 リアルでもゲームでも巻き起こる事件に、あろうことかアコの迷推理が炸裂する――!……って、え、何それ大丈夫? 「犯人はこの中に居ます! ルシアンの名にかけて! 真実の愛はいつもひとつ!」 い、言わんこっちゃない! もうだめだ! 残念で楽しい日常だいたい=ネトゲライフ、湯けむり×事件の第9弾!
これほんと面白いなあ。ここしばらくの充実期には目を見張るものがある。日常モノ、部活モノは多けれど、ここまでホントにただ楽しく遊んでるのを面白く書いてる作品ってそうはないと思うんですよね。どうしても、劇的なイベントとか人間関係揺さぶるトラブルとか盛り込みたくなるだろうに、この作品ってトラブルらしいトラブルって無いもんなあ。それでいて、中身も特になくただワイワイと掛け合いしているだけ、というわけじゃなく、全力でその時間その時間を楽しみ尽くし、味わい尽くしてるというのが伝わってくるわけで、学生生活満喫しまくってる楽しそうな様子がホント素晴らしい。こういう内容を平坦にならずに豊かに書けるというのは、作家として得難い武器ですなあ。
面白いのが、男一人であとは全員女という構造にも関わらず、カップルとして成立しているアコ以外、女性陣と一切恋愛関係のエピソードがない、という所であります。ルシアンに対する女性陣の好感度はかなり高いものがあると思うんですけれど、完全に友達関係に徹してるんですよね。もちろん、ちょっかい出したらアコが怖い、というのもあるんでしょうけれど、匂わす素振りすらも殆ど見せず、それでいてこれだけ気心の知れた友達、部活仲間、ネトゲーパーティーをやってられるんだから、凄いなあ、と。この居心地の良さが、リア充のセッテさんをしてついついこのネトゲ廃人部に入り浸ってしまう要因なのかもしれない。リア充サークルはあれで気疲れする部分多かろう、だし。そこに疲れを感じないのが真のリア充なんだろうしセッテさんもわりとそっちのタイプな気もするのだけれど、それでも楽は気楽なんだろうし。
これだけ気楽に付き合える仲間同士なら、そりゃやっぱり現状維持を望んじゃいますよねえ。今が一番楽しい時期なんだろうし、ここに無理やりプラスアルファを入れなきゃならない、となると怖いとか嫌だなあとか思っちゃいますよ、うちに閉じたとかなんとか言われても。部活である以上、新入部員入れないといけない、というのは必然なわけですが。
ってか、ネトゲーで実際一所に集まって顔を合わせながらゲームに廃入り込むというのも妙な状態なのですけれど。あまりに没頭し過ぎると、みんなその場にいるのにチャットで会話しはじめる、というのはわらてしまた。

というわけで、パソコンルームに引きこもっていればそれで完結してしまい満足してしまう廃人たちを、あれこれ手をつくしてスノボ合宿に引っ張り出してくれるセッテさんは、貴重な現実世界への牽引役だなあ、と思わず深くうなずいてしまった。ぶっちゃけ、セッテさんが居ないと学校行事とかクリスマスバレンタンなどの季節行事以外で、こいつらネトゲーしかやらんもんなあ。
しかし、現地でも実際にスノボなどで遊びまわったのは初日だけで、その後吹雪に閉じ込められたあとはひたすらネトゲしてるあたりは流石である。
それぞれ、外で遊んでるとみんなばらばらに好き勝手やりたいことをやり倒してしまうので、むしろみんなで一緒に遊ぶにはネトゲが一番、という結論には苦笑するやら頷くやら。引率の猫姫先生は、今回学校外だったせいか、先生の皮を脱ぎ捨ててほぼ猫姫さまだったようなきがするぞ。なんか、リアルでもずっとにゃーにゃー言いながらグダってたし、温泉ばっかり入ってたし。
茜がメシマズ料理人なのは、チョコ作るときのいいわけじゃなくて、素だったのは今回の合宿で理解したw 

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