ゼロの使い魔 (21) 六千年の真実 (MF文庫J)

【ゼロの使い魔 21.六千年の真実】 ヤマグチノボル/兎塚エイジ MF文庫J

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虚無の復活の阻止を目論む『鉄血団結党』の追跡を逃れ、間一髪“竜の巣”を脱出した才人たち。アリィー、ルクシャナと共に一路ハルケギニアを目指す船の中、負傷したティファニアの手を握る才人の胸には、最後の使い魔“リーヴスラシル”のルーンが浮かんでいた…。「なんなんだよ。これ、そんなにヤバイもんなのか…?」一方、『オストラント』号で二人の救出に向かったルイズたちは、エルフの国の首都“アディール”へと乗り込んだ…。互いを想い、すれ違い続けてきた才人とルイズが、長き時を経てついに再会を果たす!「サイト、あんたのご主人様が、迎えにきてあげたわよ!」無敵のドラマティックラブコメ、いまここに再始動!

やーー、これは凄いわ。【ゼロの使い魔】だ。全然違和感がない。もちろん、ヤマグチ先生の筆致とは微細に異なる部分もあるんでしょうけれど、そんなん関係ないわ。これは【ゼロの使い魔】。ヤマグチ先生が書きたくて書けなかったまま途絶えていた、あの【ゼロの使い魔】の物語の、登場人物たちの、あの世界の続きだ。本物の【ゼロの使い魔】の続編だ。
作者名を伏せたのは、英断だったと思う。誰が書いたのか名前が出てしまっていたら、どうしたって新しい作者版のゼロの使い魔、という影がチラついて無視できなくなってしまっていたでしょう。でも、名前を伏せてくれたおかげで、ただただ【ゼロの使い魔】という物語に没頭できる。ヤマグチ先生のゼロの使い魔だと心から感じていられる。
いつか。【ゼロの使い魔】が完結して……完結して、その感慨、余韻が過ぎ去っていったあとに、この物語の幕引きを引き受けてくださった、作家の御名前をうかがうことが出来たなら、と思うばかり。
……今ねえ、ゼロの使い魔が完結出来るんだ、と思ったら、なんか凄いこみ上げてきた。そうかぁ、ちゃんと最後まで走りきれるんだ、サイトたち。最後まで導いてくれる人が、居てくれたんだ。
ありがとう、本当にありがとう。感謝の言葉しか湧いてこない。ゼロの使い魔を、ヤマグチノボル先生の書きたくても書けなかったものを、こうしてカタチにして読ませてくれて、本物として送り出してくれて、本当にありがとう。

再び走りだしたサイトたちの物語は、すでにラストまであと2巻というところまで至っているために、大盛り上がりの真っ最中なんですよね。
ついに明らかになった第四にして最後の使い魔“リーヴスラシル”の禁じられた能力。かつてのライバル、おそらくはサイトにとってもっとも因縁深き敵との共闘。
うん、ワルドとの背中を合わせて戦う姿は、もしかしたらずっと見たかった光景だったのかもしれない。自分でも思ってもみないほど心が震えてしまった。このワルド、カッコ良かったしなあ。強い! 凄い! カッコいい、というワルドを見てしまった、どうしよう。
コルベール先生も、かつての超凄腕の特務隊長だった頃を彷彿とさせる、凄みのある活躍を見せてくれて、今回男連中がみんなシャープにカッコいいんだわ。
そして、別れ別れになってしまったまま物語が途絶してしまい、焦がれ焦がれて焦がれ尽くしてもなお、もう会えない定めだったはずの、サイトとルイズのあり得なかった再会劇。そりゃあ、燃え上がるってなもんでしょう。
サイトが安定の年頃らしい理性の乏しい男の子で、ルイズのレモンちゃんもちゃんとそれらしいあたりに、ああゼロの使い魔だなあ、という感慨が……。くそう、イチャイチャしやがって(笑

もう、もう何の不安もありません。何の心配もありません。ただ期待を膨らませ、最終巻を座して待つのみ。
読者として、こうして待つことの出来ることの幸せを、噛み締め感謝するばかりです。

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