異世界修学旅行 2 (ガガガ文庫)

【異世界修学旅行 2】 岡本タクヤ/しらび ガガガ文庫

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修学旅行の最中、突如中世ファンタジー風異世界に飛ばされたものの、特にこの世界でやることもないので修学旅行の続きをはじめた沢木浩介たち。彼らと旅のスポンサーであるプリシラ王女は修学旅行を楽しんでいた。
異世界であろうと、修学旅行の定番コースは変わらない。お土産ショッピングをし、名物を食べ、史跡を巡って歴史に思いを馳せる。
しかし旅のもうひとつの目的である、異世界に散らばったクラスメート捜しはあまり進展していなかった。
そんな道中、浩介たちはドラゴンの脅威に怯える村に辿り着く。
浩介たちは「討伐してあげたい」と思うが、プリシラの「どういう脳の構造してたらドラゴンさんに勝てると思えるんじゃ? それとも将来の夢がひき肉なのかな?」というマジレスで冷静になる。ドラゴンは軍隊に任せてスルーしようとしたが、村人から「二か月前に突然現れた少年がドラゴンを諫めようと山へ向かい帰ってきていない」と知らされる。
聞けば聞くほどその少年はクラスメートっぽいので、一行はドラゴンが棲むという山へと向かうのであった――。

異世界を堪能しまくっている高校生たちの異文化コミュニケーションコメディ、第二弾!
異世界召喚モノでこれだけ山本昌が連呼されるのは初めて見たよ! そして、山本昌について熱く語るのが日本人の方じゃなくて、異世界の王女様の方というのもですね!
さすがは山本昌である。異世界にも名を馳せるプロ野球界のレジェンド。
しかし、そうかー、その発想、その視点はなかったなあ。寿命の長さの違いからくる、次々と周りから親しい人が去って行き一人取り残されていく長命種の悲哀を、次々と自分よりもあとにプロになった選手たちが引退していくのを見送り続けた山本昌を例にとって語られてしまった。そうか、山本昌も辛かったんだなあ。
ともあれ……ラノベの感想でこれだけ山本昌連呼したのも初めてだよ!

相変わらず、プリシラ王女の現代知識の週刊誌やスポーツ紙、バラエティ番組に特化したそれは、もう少し違う知識を蓄えなよ! と叫びたくなると同時にこれまで消化された日本人、本気で休憩時間の雑談程度の情報しか落としていかなかったんだなあ、と。もしかして例えば日本の古典に修熟してそれについて熱く語るのって、当時の人から見るとプリシラ王女みたいな事になってなかろうか、とかふと思ってしまいましたぞ。

さて、異世界を修学旅行するついでに行方不明のクラスメイトたちを探す旅は、さっぱり集まらないどころか同行した連中もわりと別行動で置いてけぼりにして、浩介たち最少人数でわいわいやる、むしろどんどん数減ってる!? という流れなんですけど、大丈夫かこれ、ちゃんとクラスメイト全員集まるのか?
今回、意識高い系ドラゴンしか拾えなかったんですけれど。
ところで、この意識高い系ドラゴン、マジ鬱陶しいんですけどw これで別にクラスメイトから嫌われてないどころか、ある程度認められている、というのは信じがたいなあ。だって、鬱陶しいじゃん! すごくいいやつで前向きでポジティブで結構タフだというのはわかるけれど、うざいじゃん!!
テトラさんの心情の告白にはしんみりしてしまったけれど、この素っ頓狂な異世界修学旅行もあとになって振り返ってみたらもう二度と同じメンツ、同じ境地では体験できない、共有できない掛け替えのない思い出になるのだろうか。幾ら懐かしんでも、もう決して触れられない遠くに去りしモノになるのだろうか。
そう思うと、しんみり感がちょっとエコーして読後まで続いてしまった。
それはそれとして、他をぶっちぎって一人で異世界を堪能しまくってるハイファンタジー宝田の突っ走り方はもう何もかもぶっちぎってるなあ。こいつだけ世界観が違う、というかもう自力で世界観を塗り替えちゃってるよ。逞しすぎる。なんでこんな実践力高いんだ!? これもある意味、意識高い系になるんだろうか。いや、彼女の場合、その高い意識を有無を言わさず全部自己実現して、成立させ、実践して実現しちゃってるんだから、ものが違うんですよねえ。面白すぎる。
しかし、本作はひたすらプリシラ王女のネタフリとボケとツッコミでできてるなあ。主人公、スベリ芸はマジで難易度高いから手を出すのは止めとけ、マジでやめとけ、それは修羅の道だw

1巻感想