筺底のエルピス 3 -狩人のサーカス- (ガガガ文庫)

【筺底のエルピス 3.狩人のサーカス】 オキシタケヒコ/toi8 ガガガ文庫

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起死回生の一手。たとえ全てを失っても。

殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。それを滅ぼす一団であった《門部》は、同じ目的を持ちながらもはるかに巨大なゲート組織――《I》なる不死者たちの侵攻によって陥落した。

乾叶と百刈圭をはじめとする数名は、辛くも難を逃れて決死の逃避行を図るが、そんな彼らを狩るべく、かつては同僚であった恐るべき狩人が動き始める。さらにはその裏で、世界そのものが滅亡への歩みを静かに加速し始めてもいた。

強大すぎる敵に対し、《門部》が「負けないため」の作戦――秘されたその真意とは何か。そして、進み始めた世界崩壊の真実とは。
人類の世界にこれまで六度、虐殺と大戦争をもたらしてきたという白い鬼を巡る、《門部》、《ゲオルギウス会》、そして《I》という三つのゲート組織の抗争が、ついに佳境の時を迎える。

人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩、悲劇の第三章。『波の手紙が響くとき』でも好評を博す、オキシタケヒコが手がけるSF異能バトルアクションシリーズ第三弾。
アババババババッ(死亡
うわーーー、もううわーーーっ、って泣き叫ぶしかないよこれ。もううわーーーー!! やだもう、うわーーーーんん!! 
前回、SFとして読んでるこっちが呆然とするほどの壮大なスケールに世界観を広げまくって、圧倒してきたこの作品ですけれど、翻って今回はこれでもかこれでもかとマクロな個々にキャラの動向に焦点を凝縮して凝縮して、ぶしゃーーーっ、グシャーーーーッ、ビシャー^ーーーッ、てな具合に握りつぶしやがりましたよ! 滴る果汁、潰れて染みをつけるぐちゃぐちゃの果肉。デロデロのドロドロに煮詰められた、この絶望感。
あかん、読後しばし心神喪失状態である。
やばいよ〜、もうやばいよ。
最初の段階で、世界的な規模で勢力を持つ《I》によって門部の本拠が陥落して、僅かな仲間たちと脱出するも、逆襲の目なんてどこにもなくて、間白田が準備していたルートに従ってようやく逃げ延びている状態。という時点で、最初の時点で絶望感が尋常ではなかったはずなのです。
知らなかった、なにもわかっていなかった。
こんなもん、絶望なんてものでは全然なかった。絶望なんて表現するのもおこがましい状況だったんですよ!!

かつてハウンドと呼ばれた「奥菜正惟」の容赦のない追撃。その恐ろしさに、震え上がる……どころじゃなかったわけです。もうポカーンですよ、茫然自失ですよ。え、これもうダメなんじゃないの!? と、奥菜の最初の攻撃で絶望のどん底に落とされたわけです。絶望的状況と思ってたら、そこからいきなり床が抜けてさらに底に落とされた感じ?
だって、その人やられたらもうダメじゃん。残された人たち、何をどうしたら良いか、なにもわからないじゃない。もうこの時点で真っ黒に心が塗りつぶされたみたいに先行き真っ暗で、絶望感しかなくてもう右往左往するしかなかったのに。いや、ここからよくまあ打開してみせたものです。数々の幸運と外部からの手を借りたとはいえ、よくまああの奥菜の追撃に対抗することが出来たものだ、と圭たちの奮闘は目を見張るものがありました。
まさか、そこからが本当の絶望のはじまりだったとは、気付きもせずに。

怖い怖い怖い怖い、もうやだ、こいつ本当に嫌だ。狂人、邪悪、異常者、悪意の塊。なんだろう、この存在をどう言い表したらいいんだろう。
敵として、悪役として、ここまでえげつない悪意しか無く邪悪でしか無く、人でなしで残虐で惨たらしくおぞましいキャラクターに、ここまでやりたい放題やらせた作品がどれだけあるだろう。そんなおぞましい敵になすすべなく蹂躙され、陵辱され、弄ばれるこの途方も無い絶望感を、無力感を、恐怖感をなんと表したらいいんだろう。

エンブリオ。

この絶望の権化の名前である。

誰か助けて、マジで心が折れそうだ。心が潰されそうだ。思い返すだけで、あまりといえばあんまりな惨劇の光景が脳裏をよぎって、息が詰まる。
次回第四巻のサブタイトル「廃棄未来」。もうこれ見るだけで、希望を抱くこととか出来ないんですけど。
うああああ、もうあかん死にそう。死にそうなほど、面白いんだよ、こんちきしょー!!
トドメを刺されるとしか思えないんだけれど、早く4巻! 4巻をっ!!


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