サ法使いの師匠ちゃん2 (GA文庫)

【サ法使いの師匠ちゃん 2】 春原煙/狐印 GA文庫


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サ法使い VS.カルト教団!? 第7回GA文庫大賞≪優秀賞≫作品、待望の第二巻!!

「みんなをスマイル、あたしはリッチに! 実はこのあたしは、伝説のサ法使いだったのでした〜!!」
カルト教団に洗脳されたエルフ族を解放するため、辺境のミッケリンナ村へとやって来た詩子たち一行。
「サ法使いって、あのおとぎ話に出てくるペテン師じゃないんですか?」
しかし、村の修道女アルマに強く反発され、協力の申し出を拒絶されてしまう――。
「YOU、(教祖)やっちゃいなよ」
ところが詩子は、アルマを教祖に祭り上げて新興宗教パンスト教を興し、村人奪還に乗り出しちゃった!?
悩み相談にマルチ商法、異世界では斬新すぎる布教活動は奏功するのか!?
異世界ファンタジーコメディ劇場型詐欺、第二弾!!
勢力を拡大する怪しげなカルト教団に、新興宗教を立ち上げマルチ商法で対抗する詩子たち一行! って、ええんかいそれ!?
そりゃ、ある特定の業種を潰すには同じ業種で客を奪うのが一番だけどさ。よく料理漫画とかお店モノである、ある日突然向かいに同じモノを売る店が開店して大ピンチ、みたいな感じで。この場合は、相手のカルト教団がピンチなのだけれど。
しかし、その新興宗教がまた「パンスト」をご神体としたパンスト教というのがいい具合に狂ってる。そして、一番ジェラールくんがそのパンスト教にはまってるんですけど!?
まあでも理解は出来る。白い肌に黒のパンストもいいのだけれど、あのロザリアの褐色の肌に白いパンストというのも実に乙で……こほん。
ともあれ、新興宗教というのはそりゃ信仰の自由はあるし、パンストの有用性を広めるためにも良い機会だったのかもしれないけれど、マルチ商法はわりとやり過ぎだったんじゃね? アルマさんが怒るのも致し方なしというか、途中から師匠ちゃん欲望のままに走ってた感があるし。ストッパー役のジェラールくんはパンストに埋もれて見事に籠絡されてしまってたからなあ。
今回、ちと盛り上がりにかけたのは肝心の相手のカルト教団が敵役としては弱かったせいもあるのでしょう。敵国の尖兵としての側面があったとはいえ、カルト教団としてのヤバイ側面が全然なかったですし、師匠ちゃんの詐術が決まる余地があんまりなかったんですよね。ペテンらしいペテンにかけるまでもなく、案外正攻法で押しきれちゃいましたし。
でも、師匠ちゃんコンプレックスじゃないのだけれど、ピュアなジェラールやロザリアに対して色々と思うところはあったんだなあ。自身がどちらかというと、いや圧倒的に悪の側の人間であることを自覚していて、だからこそジェラールやロザリアみたいな良い子たちに自分がしてあげられることを考えているところとか、救われているところとか。
そして何より、師匠ちゃんも一人の女の子なんだぞ、というキュンキュンしたところが可愛いじゃないですか。散々引っ掻き回しながら、肝心なところでしっかり甘えてくれるところなんぞ、色々とたまらんところだわなあ。

こうしてみると、物足りなかったのはやっぱり師匠ちゃんとジェラールとロザリアの三人での掛け合いというかイチャイチャがちと足らなかったんかなあ。この三人が仲良く騒いでるのが一番この作品の幸せなところでしたからねえ。
なんか、このシリーズはここで締めみたいな感じなので、もう三人のドタバタイチャイチャが拝めないのが残念ですけれど。

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