落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)10 (GA文庫)

【落第騎士の英雄譚(キャバルリィ) 10】 海空りく/をん GA文庫

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間近に迫ったステラの家族への挨拶を前に一輝は緊張していた。
ステラのパートナーとして認めてもらえるのか不安を感じつつヴァーミリオン空港に降り立った一輝。
そんな彼を迎えたのは、大勢の市民たちだった。温かな歓迎ムードに緊張も和らぐ一輝だったが――

「イッキ・クロガネ! ヴァーミリオン皇国民は貴様に決闘を申し込む! 」

それは錯覚にすぎなかった!?
図らずも開始する落第騎士vsヴァーミリオン皇国全国民の一大バトル。
一方その裏では、かつてその片鱗を見せた邪悪な影も蠢動を始めていた!
落第騎士の英雄譚・新章、ヴァーミリオン皇国編、開幕! !
そうかー、ヴァーミリオン皇国って広島にあったんだー。って、ヴァーミリオン皇王陛下、なんでナチュラルに一人だけ広島弁ナンデスカ?
駄目だ、この人大人げないお父さんだ。国家権力乱用しまくってるじゃないか、絶対王政利用しまくってるじゃないかー。
ただ、この過度すぎるくらいの家族愛も、ヴァーミリオン皇国の建国逸話を聞くと逆に不安になってくるんですよね。建国の逸話を再現させられるとか、想像しただけでもゾッとしないんですけれど。でも、それをやりかねないような今度の敵なんだよなあ。
これまでは学園編・七星剣武祭編ということで、乱入はあったとはいえ基本的に学生レベルの話に終始していたところが、この第二部からは文字通り世界を舞台にした、本物の戦争編ですからね。一騎当千の戦力を投じた血みどろの闘争というと、作者の海空りくさんの【断罪のイクシード】路線なんですよね。あれ、大好物のシリーズだったんで、どんと来いなのですけれど。
世界中に跋扈する魔人と呼ばれる超越者たちのルール無用の祭典。昔、西京先生と黒乃理事長の現役時代の試合のエピソードがあまりにも途方もなさすぎて、世界観が違う、というか出てる漫画が違う、みたいな事を言ってたんですけれど、本当の意味で「魔人」と呼ばれるブレイザーは世界観が違うレベルなのだということを、ステラと一輝のラストバトルで実感したのですが、この魔人たちが主役となるヴァーミリオン皇国編は文字通りこれまでとは出る漫画が違う、というくらいに話の規模が違ってくるんでしょう。
だからこそ、何となく一対一の試合専用じゃないのか、実戦向きじゃないんじゃないか、という疑念があった一輝の力が、むしろ試合よりもルールも戦場も限定されない実戦向きだと明言されたのは今後、一輝の戦いに制約は課さない、それこそ伸び伸び戦わせてあげるよ、と宣言してるみたいでなかなかワクワクさせてくれるじゃないですか。
それはそれとして、ステラがあれでまだ魔人化してない、というのは逆に怖いなw

月影総理が、いったい何を企んでいたのか。というか、何を危惧して動いていたのかを今回正直に教えてくれた上で、一輝たちに未来を託してくれたわけですが……第三次世界大戦か、これはまたヘヴィな未来じゃないですか。まだ在学している人たちはともかくとして、三年だった刀華さんや諸星くんもそれぞれ目指す道へ歩き始め、珠雫もまた痛切に感じた自分の未熟さを埋めるために新たな挑戦をはじめたわけですけれど、悠長にそれぞれじっくり力を蓄え、とはしていられないのかもなあ。思っているよりも早く、動乱ははじまりそうな匂いがプンプン漂ってきている。
ほんと、ガンガンダークサイドに寄せてきたのは、楽しみに思うべきか不安に感じるべきか。こういう黒い人死もバンバン出そうな雰囲気は、ほんと【断罪のイクシード】寄りで好きなんですけどねえ。

あと、あの可愛らしいお母さんからステラとかルナ姐さんみたいな人を生み出してしまった親父さん遺伝子はもうちょっと反省スべきだと思う!

シリーズ感想