29とJK ~業務命令で女子高生と付き合うハメになった~ (GA文庫)

【29とJK ~業務命令で女子高生と付き合うハメになった~】 裕時悠示/Yan-Yam GA文庫

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29歳とJK、“禁断の”年の差ラブコメ、はじまる!

目つきは怖いが会社では一目置かれている29歳社畜・槍羽鋭二。ゲームや漫画が好きで、休日のネカフェを癒やしに日々を生き抜いている。ある日、槍羽は《あること》で説教した女子高生・南里花恋からコクられてしまう。
14も年下とは付き合えないとキッパリ振るが、後日社長から呼び出され――「業務命令。孫の花恋との交際を命ずる」。
なんなんだこの会社!? 絶対に辞めてやる!(入社以来17回目)
だが始まってしまうJKとの交際。妹が、元カノが、会社の部下が、世間の目が槍羽の前に立ちはだかる!
29歳とJK、“禁断の”年の差ラブコメ、はじまる!
ちょ、ちょっと待って、お願い待って。29歳なんて若い子に、自分はおっさんおっさん連呼されると、アラフォーのダメージパないんですけど。ガチおっさんからすると、キツいなんてもんじゃないんですけど。
鋭二と花恋の世代差を引き立たせる90年代の懐かしネタが、ことごとく「懐かしい!」じゃなくて、ああそういうの子供らの間で流行ってたらしいなあ、とか知らん、とかばっかりで逆に鋭二との年代差を痛感させられる始末である。ガチおじさんからすると、鋭二くんの若々しいこと若々しいこと。29歳なんて若者ですよ、おじさんなんかじゃないんですよ。鋭二くんに関しては、むしろリアル29歳よりも若いんじゃないかなあ、情熱的で熱血でひたむきで。ある種の「くたびれた」ところが一切ない。仕事に「疲れた」ところがまだない。何回も辞めたいと思っていても、怒りや不満をグツグツとネガティブに濁らせるのではなく、前向きに滾らせ、部下に対しても業務に対してもお客様に対しても、非常に誠実で誇りと自信を以って接している。
もうね、一番バリバリの男盛りじゃないですか。充実しまくってるじゃないですか。
その挙句に、可愛い妹と二人で同居していて、しがらみの多い地元じゃないのに元カノの幼馴染が近くにいて時々ご飯差し入れしてくれて、出来る部下は健気に惚れてくれていて、ってなんじゃそりゃーー!!
なんじゃそりゃーー!!
どんだけ男のドリームを詰め込んでるんですか、盛り過ぎだよ、サンシャインタワー盛りかってんだいっ。
だいたいさ、魚を釣ったのも釣った魚に餌あげちゃったのも、鋭二くんじゃないですか。最初から構わなかったら、JK花恋とそもそも縁が繋がることはなかったのですよ。きっぱり無視すればそれで始まらない恋愛だったはずなのです。この野郎、最初から何だかんだと気があったという事なんじゃないだろうか。きっぱりと振っているにも関わらず、実態を見ると全然きっぱりしてないですし、してないよこの野郎!
どうもこの男、人間関係に関してはわりと始点終点を定められずにだらだらと続けてしまう癖があるんじゃなかろうか。情が深いせいもあるんだろう。一方で、情にのめり過ぎないサバサバしたところもある気がする。それは仕事面だと良い方に周り、プライベートだとかなり面倒くさいことになっている気がする。
その典型が、幼馴染の元カノとの付き合い始めも別れもきっちりと区切っていない、ケリのついていない関係だろう。
いやもうさ、アラサーの幼馴染で、お互いフリーとかもう紆余曲折あって年貢の納め時なポディションじゃないですか。浮ついてた十代じゃなくて、お互い酸いも甘いも噛み分けた末に結局一番しっくり来たのはあんただったねえ、という感じで収まる所に収まるパーショットじゃないですか。
JKと真剣に遊んでる場合じゃねえだろうww

とまあね、タイトルはJKと付き合うように命令されてさあ大変、という感じなのですけれど、実質は鋭二くんのお仕事に関するお話がメインで、JKとのお付き合いはほぼ脇なんですよねえ。花恋のキュンキュンしてる恋心はすごくハツラツとしていて眩しいくらいなのですけれど、初々しくてねえ一生懸命で可愛いんだけれど、まだまだどうしても大人と子供のお付き合いで、男と女のお付き合いではないんですよね。まあ、鋭二くんからして、恋人のつもりというよりも彼女の目指す夢のコーチという位置に腰を据えているからなのでしょうけれど。
一方のお仕事の方は、上からの理不尽な振りに現場を任されている鋭二が死力を尽くして捌いていたら、さらに社内の権力争いのとばっちりを受けて、徹底的に追い詰められたところで主人公の秘められた力が覚醒する(人望と人脈!!)、という見事なまでにこんなサラリーマンかっこいい、というお話でしたねえ。
現場にこだわる鋭二だけれど、これだけ期待を背負っているなら上目指すのもまた責任の一つだと思うんだけどねえ。そこで責任にも期待にも踊らされずに、現場にしがみつくというのは相応に自分優先で、それはそれでいいと思うんだけれど。自分を過小評価してたり、自分が居ないとダメとか思ってるんじゃなきゃね。
ともかく、自分は幼馴染推し。ってかね、自分に子供が居ると考えて、その自分の子供と同世代以下じゃないと、歳の差なんてどってことないっすよ。
まあそんな年下の子と付き合ったことなんざ、ありませんけどね!!

裕時悠示作品感想