ストライク・ザ・ブラッド (15) 真祖大戦 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 15.真祖大戦】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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“魔族特区”絃神島の命運を賭けて暁古城は真祖たちとの交渉に挑む!
「聖殲編」最終章!

 バレンタインデー直前、雪菜たちの買い物につき合わされていた古城は、藍羽浅葱が“戦王領域”の吸血鬼、トビアス・ジャガンと一緒にいる場面を目撃してしまう。まさかの浅葱の心変わりに、古城たちは動揺を隠せない。
 しかし彼女の真意を確かめる暇もなく、古城は龍族の娘グレンダを賭けて、“戦王領域”の吸血鬼ヴェレシュ・アラダールと決闘する羽目になる。膨大な戦闘経験を誇るアラダールに圧倒され、絶体絶命の危機を迎える古城。
 そのころ、三人の真祖たちを擁する超国家組織、聖域条約機構は、禁呪“聖殲”の祭壇である絃神島の破壊を決定していた。一方、“聖殲”の叡智を手に入れたディミトリエ・ヴァトラーは、グレンダを利用して咎神カインの“遺産”を召喚。真祖たちとの全面戦争を引き起こそうと画策する。聖域条約機構軍の多国籍艦隊によって、包囲されていく絃神島。攻撃開始までの猶予はわずか十二時間。果たして第四真祖・暁古城は、世界を二分する巨大な戦争から絃神島を救うことができるのか――?
暁の帝国、爆誕!! 仮初の第四真祖だった古城が名実ともに本物の第四真祖になる話であり、古女房の浅葱と幼妻の雪菜がガチンコで正妻戦争をおっぱじめる話であり……ってか、これおおむね浅葱さんが盛大にやらかしてた話だよなあ。カインの巫女として利用され囚われの姫みたいなことになるんじゃ、とシリーズ途中までは思ってたし実際そうなりかけてたことはあったんだけれど、浅葱さんって何だかんだとそういう受け身なヒロインじゃないんですよねえ。そもそも、ギャル系にイメチェンしてしまったように積極的に攻めていくタイプなんだよなあ。
何故そっちに攻める、と言いたくなるのも確かではあるんだが。
そう、能動的であるにも関わらず肝心なところに関してはビビリで引っ込み思案なもんだから、真っ向勝負で攻めてこずに大攻勢を迂遠な方向に向けてしまうのがこの人なんですよねえ。その結果がこれである。
まさか、第一部ラストバトルの相手がヴァトラー・浅葱連合とは思うメエ。いや、ヴァトラーと最後にゃやらんといかんのは最初からわかっていたことだけれど、なんで浅葱相手にこんな総力戦になってるんだよ、とw
でも、改めて嫁たちの立ち位置みたいなものがわかる話でもあったんですよね。暁の帝国を建国するにあたって、浅葱の、雪菜の、煌坂紗矢華の、夏音の、ラ・フォリアの事件にあたっての振る舞いがそのまま彼女らの古城の嫁としての公私における在り方に通じていたんじゃないかと。
まあ、雪菜のあのベッタリさはずっこいなあ、と思う所もなかりしかな、ですが。浅葱のドヘタクソな甘え方に比べたら、雪菜はもう慣れたもんで。一番大変な時に名前呼びねだったりとか、指輪貰ってから正妻の自信みたいなものを漲らせちゃって、この娘ったら。
おかげさまで、煌坂さんが煽られて全力で愛人体質を漲らせちゃってたじゃないですか。
まあ何気に、眠れるお姫様枠でアブローラが復活してしまったので、彼女が目覚めた時にはさらに波乱もひとしおとなりそうだけれど。古城のアブローラへの駄々甘っぷりを思い出すとねえ。
アニメのラストシーンで登場した、絃神島を中心に周囲に無数の諸島群が広がる暁の帝国。なんで絃神島こんなんなってんの? という疑問に応える「聖殲編」の最終章。これってややこしいんだけれど、考えてみるとヴァトラーが面倒くさい部分を引き受けてくれて、自分を倒せば全部まとまる、という風に事態を単純化してくれた、とも言えるんですよねえ。当人、単に世界相手に戦いたかっただけなのかもしれないけれど、ヴァトラーが聖殲の力を掌握して浅葱と一緒に世界相手に喧嘩売ってくれなかったら、聖殲の危険性を巡っての絃神島破壊命令を覆すのはかなり難しいことになってたんじゃなかろうか。そう考えると、ヴァトラーって最後まで痒いところに手が届くお助けキャラだったのかも。
キラくんとジャガンさんがなんであそこまでヴァトラーに忠誠心燃やして、最後も一緒についてっちゃったのかはいまいちわからんかったけれど。オシアナスガールズはほったらかしだったみたいだが。まあ、彼女らは別にヴァトラーに忠誠があったわけじゃないんだけれど、ラ・フォリアにこてんぱんにやられて、というかいじめられてひんひん泣かされてるのをみると、可哀想だなあというか今後も暁の帝国に残ってラ・フォリアにイジメられるんだろうなあ、と不憫な感じにw
そういえば、那月ちゃん。あれ暁の帝国誕生に伴って、監獄結界は作動したまま封印されていた生身が復活していたけれど、あれって恒常的に戻れることになったんだろうか。
第二部以降で、ちゃんとそれぞれの現況を伝えてほしいものである……あるよね、第二部?

シリーズ感想