三千世界の英雄王(レイズナー) 厨二じかけの学園都市 (MF文庫J)

【三千世界の英雄王(レイズナー) 厨二じかけの学園都市】 壱日千次/おりょう MF文庫J

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学園都市“三千世界”では、世界中から異能者が集い最強を目指すバトルトーナメント『暗黒狂宴』が人々を熱狂させている。『今世無双の天才』と謳われた剣士・刀夜は、イカれた異能者の世界を生きるため煉獄学園に編入し、暗黒狂宴への参加を決意。だが、学園長が課したのは、天才の彼には受け入れがたい参加条件だった。「よし、お前は『最弱の悪役』でいけ!その方が盛り上がるから」「ひどすぎる!?」そんな彼とチームを組むのは、DQNネームの令嬢・羽瑠歩流祇栖と自称ロボットの幼女・一二三。反逆の徒となった少年は、仲間と共に最底辺から“三千世界”の頂=英雄王への道を歩み始める。最強も最弱も笑い飛ばす―超ド級学園バトルラブコメ、開宴!
突っ込みどころだらけを通り越して突っ込みどころしかないあれやこれや。自称とかソウルネームで酷いドキュンネームはあったかもしれないけれど、親につけられた本名で羽瑠歩流祇栖(ヴァルプルギス)なんて名前、酷すぎやしませんかね! しかもメインヒロイン! メインヒロイン!!
メインヒロイン・羽瑠歩流祇栖! 読めねえよ、ルビつけないと! これで当人まだノリノリならいいのだけれど、普通に真面目な子なので、人生罰ゲームです。ただでさえ罰ゲームなのに、厨二的振る舞いがなによりも評価の対象となり、具体的な能力の向上に繋がってしまう学校に放り込まれて、毎日が罰ゲームです。というか、殆ど全部原因が学園長となる羽瑠歩流祇栖のお母さんなので、家族からして罰ゲームです。だいたい全部こいつのせい、だもんなあ。
おかげで、ガチ厨二、ファッション厨二を通り越して、ビジネス厨二という概念が誕生してしまう始末。
そして、学園長のその場のノリと思いつきで、無理やり最弱にして皆の嫌われ者になる悪役をやれ、と命令強制されて、最弱の悪役を演じることになってしまった主人公。未だかつてこんなしょうもない理由で最弱とか悪役を任じられた主人公がいただろうか。まあ、自前で気取るよりかはよっぽど健全なのだけれど。
しかし、だいたいこいつのせい、な学園長がすべての糸を裏で引いている黒幕、だったらまだ格好がつくんだけれど、この人黒幕を気取りたいだけで本当になんにも知らないからなあ。その場のノリで色々と知ったかぶりをして、黒幕っぽく振る舞うものの、アドリブ聞かなくてわからないことがあると素に戻って???連発するのやめてくださいww
いや、本当に何の関係もなく気取りたいだけならまだ面倒はなかったんだけれど、何も知らないくせに本当にだいたいこいつのせいでこんなヒドイ世界観になっちゃってるからなあ。もうなぜこいつにやらせたww

相変わらずギャグ一辺倒な風に見せかけて、何気に重い設定を背負っている登場人物たち、という構図は作者の常道なのですなあ。今回も、主人公姉弟は両親や門弟たちを皆殺しにされ、主人公自身何年も昏睡状態だった、という壮絶な過去を背負っていたりしますし。
お姉ちゃんが「すずねえ」級のダダ甘お姉ちゃんと化してしまったのも、理由だけ見ると切実なものがありますしなあ。さらに、自分の昏睡治療の借金で首が回らない状態、お姉ちゃん身売りの危機、という喫緊の問題も抱えているわけですし。
ビジネス厨二だろうと、最弱だろうと悪役だろうと、文句も言わずにやり切らにゃあならんという、なかなかに世知辛い背景なのですわな。まあ、最後らへんもう主人公、ノリノリで悪役的振る舞いを堪能していた気がしないでもありませんが。
とりあえずのお気に入りは、やはり邪竜王を封印せし学園最強の光王院くん。この性格も顔もイケメンにも関わらず、たったひとつの理由ですべてが台無しに壊滅している残念イケメン、でもやっぱりカッコいいww そのカッコ悪さすらもかっこよく見えてくるじゃあないですか。でも、やっぱりヒドイw
さて、タイトルともなっている「三千世界の英雄王(レイズナー)」も果たしてどこまでが本当なのか。場合によっては、本気でその場の勢い、みたいな可能性もあるだけに、もしそうだと作品のタイトル自体がヒドイことになってしまうw

壱日千次作品感想