デート・ア・ライブ15 六喰ファミリー (ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 15.六喰ファミリー】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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天使の力によって自らの心を閉ざし、宇宙空間を漂う精霊、星宮六喰。救いを拒絶された五河士道は、己の葛藤を振り切り、新型“フラクシナス”と精霊たちの力を借りて再び六喰と対峙を果たす。DEMのエレン操る“ゲーティア”と、アルテミシアも介入した激戦の中、士道は六喰の心を開くことに成功する。表情豊かに懐いてくる激変した六喰に戸惑いながらも、デートし好感度を上げていく士道だが…。
「むくと契る以上、おなごたちとは金輪際会わぬと誓うのじゃぞ」
六喰から厳しすぎる条件を突き付けられてしまい―。重すぎる愛情と強い独占欲を秘めた精霊を説得するため、デートして、デレさせろ!?
綺麗な折紙の再登場に歓喜。いや、最近は変態すぎる折紙さんにも耐性が出来たというか、あちらも多少マイルド(?)になって多少ヒロインらしくはなっていいかなあ、という感じではあったんですけれど、それでも変態じゃない折紙さんの穢れのなさには眩しさしかないよ!
性格的にもマトモだし健気で献身的だし、実は頭が回って有能だし。こっちの折紙さん、マジ頼りになるんですが。
普段は両方の折紙が混じった状態でどちらがどちら、というものでもないみたいで二人の折紙が内在しているわけじゃあないみたいなのですが、ここまでいいキャラしているとたまには登場してくれないかなあ、と本気で思ってしまう。
戦力的にも、他の精霊たちが能力を封印されて力を失っているのに比べて、今回折紙は精霊の能力と魔術師フォームのハイブリッドという戦闘手段を手に入れたので、こっちサイドの貴重な戦闘要員になってくれましたしねえ。士道だけだとやはり苦しいからなあ。
その士道だけれど、今まで手に入れた天使の力をコピー品とはいえかなり自由に使えるようになっていて、現状ほぼ主戦力となっているのが面白いなあ、と。最初の頃どころかつい最近まで戦闘では戦力外であり続けましたからね。ハニエルが使えるだけでも、かなり色々出来るようになってるわけですしねえ。美久の天使の能力もかなりうまいこと使ってるし。
一方で、ようやく失われていた士道の過去も、今回の六喰の過去と連動させる形で明らかになってきて、その背景には大きな陰があることがわかってきたわけだけれど、そうなると余計に士道の出自が気になってくるところだわなあ。母に捨てられ五河家に預けられるまでの過程がまだ謎のままですし。実妹の真那はどうしてたんだ、とか。それ以上に、琴里の正ヒロインっぷりも浮き彫りになってきてるんですが。幼少時からこの義妹、お兄ちゃんのこと助けすぎでしょう。
それにしても、さすがに十五巻もシリーズが重なってくると、士道の主人公らしさにも風格みたいなものが出てきましたなあ。正直、彼の女の子へのアプローチというのは当初からダメダメも良いところだと思ってたのですが、これだけ何度も何人も困難を乗り越えて精霊たちを苦難から救っていると、いい加減貫禄みたいなものが出てきた感があります。

「――俺の手を待っている子の、ところへ」


うん、素直にカッコよかったよ、このシーン。六喰の抱えていた問題って今まででも個人の人格形成によって生じたトラウマに根ざすものであって、名前のように無垢な心が自傷によって傷ついたものだったから、それを救うというのはかなり難しいアプローチが必要とされたのだけれど、士道の自分をさらけ出した体当たりな寄り添い方は非常に主人公らしくて良かったよ。
今回は特に、独占欲という観点から恋人という関係からすると当然の、「他の女と関係断ってよ」という正論によってぶん殴られてきたところがかなりキツかったという部分もありましたからねえ。そこらへん、かなり精霊さんたちには甘えていた気もするんだけれど、まあ……今回も何気に甘えた倒して押し切った感も無きにしもあらずなのですがw
さて、ここまで来てようやく現存する精霊は出揃ったのか。となると、真打ち狂三の登場だわなあ。まさに、満を持して、というラストシーンでありました。やはり彼女が出てくると話が引き締まってワクワクしてくるなあ。

シリーズ感想