三千世界の英雄王<レイズナー>3 女帝と剣帝 (MF文庫J)

【三千世界の英雄王<レイズナー> 3.女帝と剣帝】 壱日千次/おりょう MF文庫J

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世界中の異能者が最強を目指す、バトルトーナメント「暗黒狂宴(サバト)」。「今世無双の天才」ながら「最弱の悪役(ヒール)」という役割を与えられた剣士・刀夜(とうや)は、迫り来る常軌を逸した強敵(変態)たちを次々と葬り、学内予選を勝ち上がる。世界変革の力を宿すプルの異能アウローラを狙う組織の陰謀も光王院と共に壊滅させ、いよいよ、姉・氷華が待つ準決勝まで到達した。しかし、一方で、この世界のルールが、自らの望む「厨二」=強者ではなく、「変態」=強者という構図になってしまっていると気づいてしまった学園長・血鶴は、さらなる常軌を逸した企てを画策。刀夜に決戦の時が迫っていた。こんな変態見たことない!? 最も熱くて笑える学園バトルラブコメ、第3弾!
そうですよね! これ、中二病の祭典じゃなくて変態どもの祭典ですよね! 厨二的な言動や振る舞いをするほどに、つまりなり切ればなり切るほどにその属性のシンクロ値があがって異能が強化される、という世界である以上、厨二を極めたようなキャラが揃うのかと思ったら、出てくるのは厨二というよりも「変態」を極めたようなキャラばかり。植物を性的に愛してる人とか、巨大建造物にしか興奮しない男とか、ホームレスを極めて風属性をあげてる女の子とか赤ちゃんプレイをするほど強化される益荒男とか、いや逆によく考えるよな! という変態ばかりで。
それをまさか元凶である学園長自らツッコんでくれるとは思わんかったけど。
というプロローグの小話にちょっと納得しながら、ついに学園長の裏に控える存在が顔を見せてきたのか、と思った矢先にあのオチ、あのオチ。
初っ端からシリーズ最高に爆笑してしまったわな!!!

おのれよし子ぉーーーっ!!

でもねえ、カラー口絵のキャラ紹介に寄せられているコメントで、学園長血鶴さんの「大体全部この人のせい」というのがまさか一片も偽り無くまさしくそのとおりとは思わんかったですわ!
その意味では思いっきり予想を外されたというか登っている途中の梯子が上まで登りきってみると上まで届いてなかったというか、立っている床板の片足を踏み抜いてハマってしまった、みたいな感じである。
こんなヒドイどんでん返しがあっていいのだろうかw
多分、これも打ち切り決まって急遽まとめる必要があったから、というのもあったかもしれないけれど、それで役割が変わったのではないでしょうし、やっぱりこういう身も蓋もない人だったのか。この作者の何気に容赦ない部分がわけのわからんブレンドを見せたキャラクターだったなあ、血鶴さん。どうあがいてもギャグキャラ以上のナニモノでもない、だいたいこいつが悪いんだけれど本人何にも考えて無くて蚊帳の外、という人だと思ってたんだけれど。
まあ考えてみると、本来舞台の裏で陰謀をめぐらして暗躍するはずの黒幕であり敵対組織であるはずの「黄金の暁會(ゴールデン・ドーン)」が二巻でようやく刀夜たちと接触して存在を匂わせた、と思った途端に主人公関係ないところで壊滅して、ボス捕まってる時点でアレだったんですが。
主人公のライバル組織勝手に潰すなやww

キャラクターたちは相変わらず……まさに相変わらずで。総じてオールポンコツだわなあ。でも、変態だろうとなんだろうと、ここぞという時にはみんな漢を見せるんですよねえ。児山先輩や光王院らは本当にイイヤツだった。
世間の対応の、あの他人事な冷たさといい、全編コメディ調なのに実際の物語はかなり凄惨でえげつない話だったり、とコメディのあのキレキレなセンスとキャラの楽しさに突き放すような冷たさが混じった作風は一貫していて、このあたりは作品変わっても維持してほしいなあ、と思うところでした。
「田中よし子パニック」には吹いたw

シリーズ感想