瀬川くんはゲームだけしていたい。2 (GA文庫)

【瀬川くんはゲームだけしていたい。2】 中谷栄太/ちり GA文庫

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Kindle B☆W

「『人間性』を査定します! 」

突然やってきた従姉・琴音によって、世一のゲーム三昧の日々は終わりを告げた。彼がまともな生活を送れているかを琴音が住みこみでチェックし、問題があればそのまま一緒に暮らして監視すると言うのだ。
査定開始直後から順調にマイナスポイントを増やしてしまった世一は女子陣の協力を仰いで解決を図るものの、事態は金持ちお嬢様ルリリの実家を巻き込んで予想外の方向に!
「今晩、お泊まりさせてください」
家出してきたルリリと一晩を過ごす、超高難易度なリアルクエスト発生!?
トラブル続きの世一のリアルライフは一体どうなる!?
ゲーマー系日常ラブコメ第二弾!
やっぱりこの人の書くコメディは、みんなでワイワイガヤガヤと賑やかに騒いでるのを見てるだけで素晴らしく楽しいなあ。
特に千依・羽鳥・ルリリのヒロイン三人娘たちは完全にトリオ漫才の様相を呈していて、三人間の掛け合いの応酬も然ることながら、世一へのツッコミやボケ返しなんかも三人コンビネーション良く畳み掛けているし、それ以外のヒトへの対応や出来事に対する反応なんかも、何気に三人で連携が取れてるんですよね。一人ひとりが孤立せずに、上手いこと噛み合ってトリオとしてテンポよくドタバタ劇の推進力になってるんですよね。
主人公の世一が浮世離れしているというか、一種独特の存在感でフラフラとあっちこっち行ったり来たりするのに、上手いこと三人でスクラム組んで存在感で負けないように機能しているのである。
一方で、トリオの中に埋没せずにそれぞれ個別にもキャラ立てまくるものだから、十把一絡げにはなってないんですよね。今回はルリリ回ということでどうしてもルリリが目立つことになっているのですけれど、千依と羽鳥もそっちのけにならずにアタックかましてくるんですよねえ。さすがに小学生師匠はわりを喰うはめになりましたけれど、その分ラストでは美味しいところをもっていきましたし。
まあ美味しいところを持ってったというと、今回に関しては後半登場ながらルリリのお姉ちゃんが素晴らしいポンコツっぷりでだいたい全部持っていってしまったのですが。ぶっちゃけ、琴音姉ちゃん登場という姉回の姉の部分をもルルカ姉ちゃんが粗方持ってっちゃいましたからねえ。
あの姉としての顔と、琴音相手の親友としての顔の使い分けの出来てなさのコロコロっぷりには大いに笑わせてもらいましたし、いざ予想外の自体に見舞われたときのあの見事なバタバタなパニックっぷりは実に味わいのあるポンコツさでありました。
相変わらずの、なんか違う意味で現実とゲームを混同してしまってる世一のぶっ飛び具合も拍車が掛かってましたし。だからなぜゲームをやりこんだらゲームと同じことを現実で出来るんだ、こいつw 
ルリリのアトラクションみたいな屋敷を舞台にしリアル・タワーディフェンスゲームも面白かった。世一って、現実をゲームに当てはめて考えるくせに、ゲームでは出来ないけど現実ではやれてしまう裏技は躊躇なくどんどんやらかしていくんですよね。その意味ではゲームと現実を混同しているのに、ゲームと現実の区別はしっかりとついているわけだ。その分、質が悪いとも言えるのだけれど。
ともあれ、ゲームでも現実でも同じように遊んではしゃげる友達ってのはいいもんだ。一巻の出会った当初は世一にとって余分な要素に過ぎなかった羽鳥やルリリたちの存在が、二巻だと普通に困ったときにヘルプを求めるくらいに距離感なくなってて、集まってゲームすることに何に疑問も抱かなくなってるんですよね。それが何とも微笑ましいというか嬉しい感じがするのです。ってか、もう普通にルリリの部活とか入ってあげてもよかろうに、と思わないでもないのですけれど、そこは自由に出来る今のフリーの状態の方がいいのか。
そして、相変わらず小学生師匠のトメさんが、ガチただの小学生にも関わらず含蓄のあるお言葉ばかりくださって、マジ師匠でありました。この娘、本当にただの小学生か?

1巻感想