ヒマワリ:unUtopial World4 (角川スニーカー文庫)

【ヒマワリ:unUtopial World 4】 林トモアキ/マニャ子 角川スニーカー文庫

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Kindle B☆W

川村ヒデオに捕らえられたヒマワリへ、4年振りの邂逅を果たしたミサキ・カグヤの口から衝撃の事実が語られる―。「嘘です…、そんなのっ…!」泣きじゃくるヒマワリが知った真実とは果たして如何なるものだったのか?世界が間違っていると怨嗟し、それでも勝負を挑んだ理由とは!?ミサキ・カグヤとヒマワリの運命が重なる時、世界は新たな色に塗り替えられる。シリーズ最高潮―驚愕の急展開!!
ひょえ!? ちょっと待って、未来どうなってるの!? ストレートにミスマルカ・ルートに入るんじゃないの? てっきりジャックポットってあの文明崩壊未来へのルートを指しているのかと思っていたのだけれど、出てきた話からすると未来で起こる事ってそれどころじゃないっぽいのだが。
ていうか、ヒマワリちゃんの正体が予想外すぎたんですが。全権代表云々はともかくとして、その思想行動の背景ってそういう話だったの!? 全権代表の目的ってそんな話でしたっけ!? ミサキ・カグヤについても、レイセンの時はそれほど気に止めてなかったからか、何とかソルジャーだとかいう素性についても覚えてなかったし、兎にも角にもこの【ヒマワリ】シリーズでこれまでヒマワリちゃんの社会復帰、メンタル回復を基軸に描かれてきたと思ってきた物語の基本軸が、ヒマワリちゃんの正体暴露とともに完璧にひっくり返されてしまった観すらある。そもそも、四年前のあの大量殺戮が桐生くんにしてもヒマワリにしても登場していなかったヒデオにしても、このヒマワリの登場人物の多くのトラウマであり、今なおそれぞれの生き方に影を落としている焦点となるべき事件だったのに、もうその辺概ね突破して通り過ぎちゃったんじゃなかろうか、これ。
桐生くんはまだ核心に触れていないのでアリスと一緒に、大量殺戮事件→犯人の全権代表→ヒマワリという路線に囚われながら、なんとか自分の中で折り合いをつけてヒマワリの抱えているであろう真実と向き合おうとしているみたいだけれど、ヒマワリちゃんも確信に近い裏社会の主要メンバーもあの事件はもう失敗であろうと何であろうと後ろに置いてきてしまって、もう前の方にガリガリと進み始めちゃってるんですよね。
そう、掴むべき未来のために。それを叶えるための第二回聖魔杯に向けて……。
今までって、ガチで第二回聖魔杯をスタートさせるための前座であり前フリだったんかこれー!!
いかなる理由を持って聖魔杯に挑み、いかなる信念を持って聖魔杯に殴り込み、いかなる願いを持って聖魔杯に託すのか。確かにあとがきで書かれているとおり、いきなり第二回聖魔杯はじまっても、そこに至る迫真性、切羽詰まった祈り、土俵際に追い込まれている世界の行く末、というものは伝わりにくかったでしょうからね。
レイセンの終わりにヒデオが違う選択肢を選んだことで、未来は変わったはずなんだけれど、その変わった未来がどこに繋がっているのかが、ヒマワリの知る未来、カグヤの知る未来、そして新たな黒幕が抱えてそうな未来、といくつも浮き上がってきたことで、ミスマルカ・ルートがいくつも在る未来の中でどういう位置にあるのかすらわからなくなってきて、正直えらいこっちゃである。
そんでもって、ここまでカラーギャングや桐生くんたちレベルでアンダーグラウンドの現代異能、ヒマワリやカグヤたちのガチSFという世界観に対して、第二回聖魔杯をもって「なんでもありのオカルト」である第三世界がヤクザ蹴りカマしつつ乱入してきた観があるので、そろそろ魔殺商会や神殿協会あたりに本格的に思い知らせてほしいところである。いい加減、「アウター」の恐ろしさについて皆さん忘れている頃なので。
それに、二代目聖魔王である魔眼王に対しても、初代聖魔王さまについても、新興勢力はちょっと舐めてる風がありますからなあ。

次回からこれ、タイトル変わっても不思議なさそうなんですけれど、このまま【ヒマワリ】で行くんでしょうか。林先生の相変わらずのプロットろくに書いてなさそうな行き当たりばったりっぷりに惚れ惚れしてしまいますw

シリーズ感想