生ポアニキ パンプアップ (オーバーラップ文庫)

【生ポアニキ パンプアップ】 アサウラ/赤井てら オーバーラップ文庫

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ユリが好きだという気持ちを抱えながら、相変わらずマッチョなアニキとの健全な二人暮らしを続けるユースケの元に、さらに妹系美少女が給付されてくる。そしてユリの前にも、100万人超のフォロワーを有する人気動画配信者ジュンイチが現れ、彼女に一目惚れをしたと告げる。「君は彼女にとって相応しい男なのか?」ジュンイチに問われ言葉を失うユースケ。恋愛生活保護の解消とユリへの想いを賭けた「男勝負」が幕を開ける!本当の男らしさとは、人を愛するということは―?全ての答えは筋トレの先にある!更にタフでホットになったハイテンション・マッスル・ラブコメ、待望の第2巻!
アニキ、服は着ようぜ。ただでさえ体脂肪少ないんだから、寒さはダイレクトにしみてくる。それにアニキ肌が弱いそうなんだから、ちゃんと服は着ないと。風邪ひくぞ。
アニキが風邪を引いて寝込む、という姿が思い浮かばないのだけれど、同時に寝込むアニキをユースケが甲斐甲斐しく世話する光景は不思議と思い浮かぶのである。
これを腐ってる領域に加えてしまっていいんだろうか。マッチョはちょっと別なような気がするんだが、サブ。
ああ、アニキが癒やしだ。アニキが柱だ。アニキが清涼剤だ。
今回はジュンイチという外部からの茶々によって、ユリもユースケも思わぬ形で心を揺さぶられて、貶められて、好き勝手蹂躙されて、そんな理不尽にもどかしいくらい二人とも抗えなくて、抗う方法がなかなか見つからなくて、見ているこっちも不安定になるくらいにふらついてしまいのだけれど、そのたびにアニキが出てきて、筋肉筋肉と筋肉を見せてくれて、その揺るぎのない好意と親愛と筋肉によって淀んでいたものを吹き飛ばしてくれたんですよね。
ああしろこうしろと指示したり導いてくれたりはしない。ただ、筋肉を鍛えることで克己せよとだけ語りかけてくれるアニキ。それは支えでは合っても誘導ではないんですよね。あくまで自主的に促すのであり、自立を求めている。何もかも主導権を握って思うように動かそうとするジュンイチの利己的なそれと比べて、あまりに対象的で傷んだ心が濯がれていく。
海の上から沈んでいくユースケに手を差し伸べてすくい上げようというのではない、海の底から落ちてくるユースケへと手を差し伸べて抱き寄せるあのアニキの姿の神々しい挿絵は、それを象徴してるかのようだった。
筋トレは、どれほど励まされても結局やるのは自分だ。自分一人でやりきらなければならない。一足飛びに達成することの出来ない、一つ一つ積み重ねていったものだ。
その成果を見せるあのラストシーンの、なんと地味でなんとカッコイイことか。ただ見てくれを格好つけるのではない、中身に肉をつけ、密度を詰め込んだ結実があった。カッコイイってのはああいうことを言うのだ。
そんなカッコよさにキュンキュンなってしまった彼女たちの恋の花が開くシーンの描写はもう素晴らしい青春モノでしたよ。
それ以上に、相変わらずの美味しそうなご飯描写。作品のコンセプト上、ダイエットに主眼を置いたメニューが主体なのだけれど、そういうの関係なしに見てるだけでお腹空いてしいまう食事描写は健在でした。
これ、また間隔あくにしても続編ほしいなあ。折角恋を知ったヒロインたちのその後を、見ずには終われないよっ。

1巻感想