ガーリー・エアフォース (6) (電撃文庫)

【ガーリー・エアフォース 6】 夏海公司/遠坂あさぎ 電撃文庫

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モンゴルの鉱山で、なぜかF-15Jの翼の残骸が発見された。しかも検査の結果、千年以上前のものだという。ザイの脅威が迫るモンゴルで、さらなる調査に向けまだ埋まっている他の部品を回収するため、グリペンたちに指令が下る。
現地に到着し、まずはご当地料理を楽しもうと目を輝かせる一同の前に、しかし三人のアニマの少女が現れる。
クロームオレンジに輝くリーダー格、Su-27のジュラーヴリク、アクアマリンの外観と冷徹さを湛えるMiG-29のラーストチュカ、フレンチベージュでいつも笑顔、機体不明のディー・オー。やはりF-15Jの残骸を狙う彼女たちと、グリペンたちはモンゴル上空で激突する!
今度の戦闘はチーム戦!? 日露のアニマたちが乱れ飛ぶ美少女×戦闘機ストーリー、第6弾!
いやいやいや、上空で空中戦をやる前に、がっつり地上で地べたを這いずり回るスパイアクションさながらの逃走劇が繰り広げられてるんですが!
ウランバートルを舞台にした、日露当局同士の暗闘……というほどやっぱり日本側は謀略戦には熟れてないわけで、モンゴル政府サイドの親日派親ロ派の駆け引きも相まって、ロシア当局の息の掛かった排外テロ集団に追い回されることになる慧たち。このロシア側の立ち周り方や、排外テロ組織のアラっぽいやり口がまた生々しくて、ちょっと未成年の少年少女が巻き込まれるにはハードすぎる本気の謀略パワーゲームの渦中なんですよね、これ。目の前で巻き添えで人死んでるし。
何気に日本側の外交官の人が、さり気なく荒事こなせる人だったのが意外というかさすがと言うか。そっちが本職ではなくてあくまで非常対応のノウハウは取得してます、という感じのプロらしい冷静さとあんまり慣れてなさそうな余裕の無さがまた緊迫感を煽るわけですよ。
ただでさえ、ガチの空戦に参加させているわけですし、今回のように長期に渡ってモンゴルへ出張、なんてケースも出てくるわけですからいい加減、学生の身分どうにかした方がいいんじゃないだろうか。周囲に秘密にしておくにも限界があるだろうし、そろそろそこに意味も感じなくなってきているし。

一方で、ザイとともにつきまとう世界の謎に関しては、どんどん加速度的に本格的なSFになってきている。前回の空母シャルル・ド・ゴールの事件で一気にブレイクスルーした感はありましたが、今回なんぞ最初からもうあらすじの段階で千年前のF-15J、とかいうワードが出てきてしまっているわけですし。
ここまで露骨な核心の物証が出てきてしまったら、そりゃロシアだってアニマ全力投入して確保しようとしますがな。もともと、ロシアはアニマやザイに関して既に他国よりも深い知見を得ているようですし。
しかし、アニマ自体ちょっとよくわからない存在のまま、だったんですけれど、千年前のF-15Jの中にあった残骸からすると、アニマの肉体ってまんま人間のものといって過言ではないんですなあ、あれ。ザイから培養された、という文言からも人の形をしているとはいえ、もうちょっと特殊な作りをしているのかとも思っていたんだけれど。
だとすると、彼女たちのメンタルが人間基準なのもまた当たり前でそれを道具扱い、というのは使い方として非常にそぐわないことになる。ジュラーヴリクが、冷徹な軍人の姿勢ながらさり気なく日本に亡命したベルクトのことを心配してたり、というのを見せられたら尚更ねえ。
となると、グリペンと慧がかなり甘酸っぱいことになっているのに対して、八代通たちアニマ担当の人間たちが普通の少年少女を見守るような感覚で見ていることも、おかしくはないのか。アニマを人間と同じように接することと、人間とアニマが恋愛関係になるという特殊事例はまた別物というか、一応観察対象になっても不思議ではなさそうなんだけれど。

んでもって、まさかのハイパーゼロ無双w 相性の問題もあるんだろうけれど、ハイパーゼロって日本のガチの切り札だったのか。八代通さん、掛け金ベットするとき中途半端しないのな。
今回は慧に怒られてしおらしいファントムも見れて、結構満足……。

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