魔術師たちの就職戦線2 (ファミ通文庫)

【魔術師たちの就職戦線 2】 嬉野秋彦/惠坂 ファミ通文庫

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二年朱雀組最強のギャル佐原閑丸、ユキナリ争奪戦に参戦!?

年二回行われるクラス対抗戦が近づき、代表者三名の選出で揉める二年朱雀組。実力的には自分とミオ、マルコがふさわしいと主張するカオリだが、嫌がるマルコと監督・山崎の推薦で三人目はユキナリに決定! さらにマルコの提案で、ユキナリはカオリと賭けをすることに。実力者集団“不動連”の思惑も錯綜する大イベントで盛り上がるその頃、学園都市に謎の少女が姿を現し、不穏な気配が不動台高専を包み始める……。
新世代学園異能バトル、第2巻登場!
あれ!? あれあれあれ!? これ、飛び入りじゃなくて閑丸がマジでメインヒロインじゃない。候補じゃなくて、この流れだと閑丸ことマルコがガチンコのメインヒロインなんですけど!
いやあ、毎度ながら嬉野さんって、他の作品じゃあ三番手・四番手以降のヒロインになりそうなキャラがメインヒロインを張らせるから面白いよなあ。【戦争妖精】でも普通メイン張るであろう女性キャラ全部押しのけて、あの人がメインヒロインになっちゃいましたし。そう言えば、同じ世界観かわからないのだけれど、【ハルマゲドンバスターズ】【シャイニング・ウィザード】のメインヒロインも回り回って南米の褐色美女が収まってたんでしたっけ。
しかし、思いっきりギャルな娘がメインヒロインかー。ただ、この娘は軽薄とは裏腹の超慎重型だし、手の内を晒そうとしない、という意味では学生という身分に甘えずに退魔師としてのスタンスを守っている、という意味でもプロ意識が強いとも言えるし、その上でラスト近辺でのユキナリに対する態度を見るとある種の健気さと、あっけらかんとした積極性を兼ね備えている女の子なので、ヒロインとしてかなりスペック高いんですよねえ。
犬毛まみれはどちらかというとカオリ相手に脇見している娘だし、肝心の姉のカオリは和解などとは程遠い面倒な状態になってしまっているし、であとがきでは三人ともヒロインベースで行くつもりみたいだけれど、今のところマルコが圧倒的すぎてちょっとどうにもならんでしょう、これ。
だいたい、カオリがメンタル的に幼すぎるからなあ。ユキナリも若干意固地なところあるけれど、他人に指摘されて反省できる程度には自分を省みることが出来ているのに比べて、カオリの方は人の話聞かないし、聞く耳持たないし持ったら負けだと思ってるタイプだし、その上で追い詰められると途端に動揺するタイプだし、追い詰められなくても自分で自分を追い詰めていくタイプなので、端的に言って凄くダメな娘なんじゃなかろうか。
女の子としてはもとより、退魔師としても何気に実戦弱いタイプなんじゃなかろうか、これ。それに比べて、ヤマザキやマルコはかなりの実践派であるからこそ、わざわざ学校で実力をひけらかすことをしない強かさが、食わせ物感を強めてる。
特にヤマザキ、まさか二年筆頭だったのか。そりゃまあ、赤の書なんか持ってたら只者どころじゃないのはわかってたけれど。一応アレ、赤の書じゃなくて深紅の書という類似品なのか別物なのかわからないけれど、ヤバすぎるあの魔導書そのものではなさそうでちょっと安心した。いや、十分同じレベルでやばい代物なのかもしれないけれど。
赤の書繋がりではないけれど、件の【ハルマゲドンバスターズ】【シャイニング・ウィザード】では、いざなぎ流陰陽術の後継者で佐原閑という小僧キャラが居たんだけれど、ここまで名前を寄せるということは逆に世界観は一緒じゃない、ということなんかな。使役しているものも使い魔(ファミリアー)扱いで、式王子という表記じゃないみたいだし。いや、何気に同類な気もするけれど。あと、あっちだと当麻家って修験道・飯縄使いの系統だったのだけれど、こっちじゃ呪禁道みたいだしねえ。当麻のおっさんの娘と閑がお付き合いしていた事から鑑みても、佐原家と当麻家の仲が密接、というのは筋としては通っているのではあるのだけれど。
まあいずれにしても、直接クロスすることは何となくなさそうな感じ。ちょろっとでも向こうのキャラが出てくれたら嬉しくはあるんですけどね。

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