聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 19 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 19】 あわむら赤光/ refeia GA文庫

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「我が総戦力を以って亜鐘学園へ侵攻。捕獲対象は――嵐城サツキ」
日本支部長・駿河安東が発した一言が亜鐘学園に波乱を呼ぶ。
日本各地から名だたる熟練救世主が集結、若き才能たちを蹂躙せんと無慈悲な総攻撃が仕掛けられる。その中にはあの邪仙・ペイリーの姿も……

「竜を戮すとは、こういうこと」
諸葉を殺すためだけに研ぎすませた千の罠の前に、果たして勝機は!?

さらにサツキと諸葉の前世を知る者たちも現れ、亜鐘学園は完全消滅へのカウントダウンを刻み始める。

これは、守るための戦い――。
正義の意味を問う超王道学園ソード&ソーサリィ、壮絶なる第19弾!!
総戦力って、嘘偽りなしに日本支部長としての戦力だけじゃなく、黒幕としての戦力も根こそぎ投じた総戦力だったのか。
ただ、絶望度ということになると前回の六翼会議による襲撃の方がヤバかった気がする。何しろ、前回は諸葉が不在だった上に、攻めてきた相手がSランクも含めたAランクでも逸脱した部類の連中ばかりで、戦力的にも圧倒的だったもんなあ。
今回に関しては、卒業した先輩たちが拘束され不在だったとはいえ、諸葉はちゃんと居るし、何より残った連中についてもレベルの上がり方が凄いことになってる途中でしたし。それぞれ、石動先輩にしても、サツキや静乃、春鹿、レーシャとみんな停滞や壁を突破してブレイクスルーしたあと、でしたからねえ。日本支部の各地の支部長がこれ、完全に当て馬扱い。みんながどれだけ成長したかの試金石、というのがなんともはや。
まあ日本支部自体、他の国と比べるとレベル低い感じではあったんですよねえ。各支部長の描写を見ていても、フランス支部やロシア支部の練達と比べると、セイバーとしての意識の甘さが伺えましたし。
その辺、才能が云々というよりも駿河安東という人物が、他の六頭領と比べると組織を率いるという姿勢において、あんまり力を尽くしてこなかった様子が伺えますしね。他の支部は、六頭領への尊崇や敬意、恐怖でもなんでも、彼らの導き、カリスマ性、リーダーシップによって強くなることに非常に貪欲であるのが見て取れたのに対して、日本支部は全体的に現状維持以上の意識に乏しい感じでしたし。その分、亜鐘学園のストライカーズがその強さへの貪欲さをひとえに抱え込んでいた節があります。もちろん、支部長の中には一廉の人物もいたのかもしれませんけれど、全体のリーダーでない以上どうしたって影響力は限定的になっていまうからなあ。
その意味では、亜鐘学園に校長として残った石動先輩は、最良の選択をしたのでしょう。今の彼は、組織に埋没するよりもリーダーとして影響力を広げ続けるほうが明らかに良い風になってますし。
と、今なら他の国の支部の精鋭たちとも互角に渡り合えるような亜鐘学園実戦部隊が、今更日本支部相手にどうこう出来るわけがなかったわけで、あれ? あたりが鈍いなあ……と思ってたら案の定彼らは前座にすぎず……。
って? あれ? 暗黒騎士ってそんな扱いでいいの!?
いや、彼らって能力的にもキャラクター的にも十分敵の幹部クラスとして存在感があったんですが、わりと簡単に……。そもそも、彼らの存在ってどういうカラクリになっているかまだ不明な部分も多いので、あれでおしまいというわけではないのかもしれないけれど。
それにしても、石動先輩がどうにも頼もしすぎる。ひたすら相手が強すぎて敗戦を繰り返してきた彼ですけれど、そのたびに努力して強くなり、しかし戦う相手はさらに格上、という辛すぎる立場だったのですが、今回の防衛戦でMVPだったのは間違いなく石動先輩だったのでしょう。だって、殆ど一人で戦線を支えて、サツキたち他の生徒たちが太刀打ち出来なかった連中を、圧倒していたのですから。
それでも、良い所を持って行かれてしまうのは彼の宿命なのかもしれませんが。いやもう、殆どSランクに両足突っ込んでる気がするんだけれどなあ。ジーシン相手くらいなら、もう勝てるくらいになっていてるんじゃないだろうか。
そんでもって、久々のシャルル復活。もっと劇的なパワーアップをして帰ってくるのかと思ったら、実のところこのひとも石動先輩と同じく努力型だったんですよね、そう言えば。何気に強くなり方が玄人趣味すぎて、派手なのか何なのかよくわからないあたり、非常にシャルルらしいというか、ギャンギャンうるさい先鋭すぎる性格と裏腹に能力の方はすげえ地道で繊細なのよねえ、というのを改めて実感させられたのでした。

と、ここからさらに本命襲来かー。やべえ、少数精鋭による襲撃もえげつなかったけれど、波がどんどん強くなる波状攻撃は、ジワジワと焦燥が募ってくる。確実に味方側が消耗してきたところに、真打ち登場だもんなあ。
ある意味、この巻は全部が前座だった、と言っていいかもしれない。これは、次の盛り上がりがどれほどになるか、非常に期待してしまう。

シリーズ感想