縛りプレイ英雄記2 剣が振れない聖騎士さま (角川スニーカー文庫)

【縛りプレイ英雄記 2.剣が振れない聖騎士さま】 語部マサユキ/ぎうにう 角川スニーカー文庫

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回復魔法なき世界に転生した高校生・陣。天然すぎる元聖女マリーに心も体も癒やされる旅が始まる―はずが、はぐれていた騎士イリス合流で早くも別れの危機!?マリーの護衛役として、陣への警戒を全く解かないイリス。彼女と共に“石化”の怪物・メデューサに挑むが…
「その剣、重すぎるだろ。使えんのか?」
「う、うるさい、敵に心配される謂れはない!!」
ポンコツ女騎士加入で、ますます不安な異世界放浪コメディ第2弾!
わだかまりが解けたあとの騎士イリスとの相棒感はなかなかに素晴らしいなあ。陣とイリスとである種の「助さん格さん」が揃ったような感覚すらある。むしろ、息が合いすぎてマリー置いてけぼりになるんじゃないか、と心配になるくらい。今回は特にマリーは囚われのお姫様みたいな役回りもあってか、ずっとイリスとのコンビで一緒に行動していただけになおさらに。
陣って、先のサキュバス事件にしても今回のメデューサ事件にしても独自の視点から事件の真相を発見して解決に導いているという、冷静な知見を以って立ち回っているものの決して頭脳担当というキャラではなくて、あくまで肉体労働が似合う主人公だけに、なんだかんだとイリスの方が相性が良いというか、丁々発止のリズムがいいんですよね。特にお互いの意思と目的が噛み合うようになってからは特に。背中を預け会える相棒同士、という雰囲気は、けっこう割って入りにくいものがあるからなあ。
事件の概要は、何気に概ね前回と似たような展開であっただけに、最初の段階からだいたいどうなるか想像できてしまった、というのはちょっと勿体無い気もする。それでもなんだかんだと面白かったのは、やはりイリヤのキャラが思いの外映えたのと、幼女が可愛いのは正義、という真理故なのでしょうか。王道の強みを引き出せている、とも言えるのかもしれません。水戸黄門をアキずに繰り返し見てしまうようなノリで。
とは言え、これを幾度も繰り返し続けてしまうとやっぱり賞味期限も切れてしまいますし、メデューサの石化能力の真実と事件の錯誤の勘所はなかなかおもしろかったものの、先のサキュバス事件に比べて石化と魔法に頼らない治療という縛りコンセプトにあんまり関連性をつけることなく終わってしまったのも、肝心の縛りプレイどうした、というところもありましたしね。まあ、治癒魔法が使えないからこそ、石化の真実が読み取れず、そもそも石化現象についてちゃんと考察したこともなかった、という意味はあるんでしょうけれど。それに、今回はマリーはお預けでイリスメインというところもあったでしょうし。
でも、だからこそ第三巻ではキャラもある程度揃ったこともあって、違ったアプローチが求められるところでしょうし、正念場ではあるんでしょうね。ある意味ここからが本番とも言えますし、この作品が次のステージにあがれることを楽しみにしたいところです。

1巻感想