水上悟志短編集「放浪世界」 (BLADE COMICS)

【水上悟志短編集「放浪世界」】 水上悟志 BLADE COMICS

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少年の頃、世界の全てだった団地…でもそこは…!!? 出口も入口もない虚無の旅…その先に待つ衝撃の真実とは…。水上SFの新たなる金字塔「虚無をゆく」を含む全5作収録の待望短編集!!
個人的にはラブコメはじまったぜー!な空気感満載の【竹屋敷姉妹、みやぶられる】が続き読みた過ぎてたまらんかったし、【まつりコレクション】のファンシーなのかなんなのかわからない世界観のラストの強烈なオチとか、まつり姉さんのふわっとしたなんでもいいやな性格とか大好きなのですが、それよりもなによりも最後の【虚無をゆく】がもうなんか圧巻すぎて、全部持ってった感じなのです。
読む人は大変だったはず。疲れたでしょ。とかあとがきで書かれているのですが、そりゃ疲れたよ。なんかもう読んでるこっちの中身全部持ってかれてから、全部詰め込まれたような疲労感である。SFとして、この中編規模の長さでこんな密度のクロニクルでありスペクタルで、相反しないミクロとマクロの物語を描けるもんなんだろうか。なんか思わず繰り返し読み返してしまって、後から後から最初に読んだ時に追いついてこなかったものが、ぶわーーっと追いついてきたような感じで、あわあわしています。この感覚は、水上悟志先生の作品シリーズものの最終巻の最終回を読んだ時に、ぶわーーっと来るものなんですけれど、それをついに短編でやってしまえるようになってしまったのか。
いやもう、なんか本当に凄いです。ものごっつい作品でした。

水上悟志作品感想