異世界拷問姫6 (MF文庫J)

【異世界拷問姫 6】 綾里けいし/鵜飼 沙樹 MF文庫J

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世界に断罪されし少女と愚鈍な従者の物語、第六弾

「今だけは俺が王だ。盲目的に、俺に従え」
かつて異世界で無意味に死んだ少年・瀬名櫂人は狂王と化した。
――たった一人の女を救うために。
神と悪魔に囚われた『拷問姫』の代理として、人間、獣人、亜人による会合を掌握した櫂人のもと、三種族合同の防衛戦線が動き始める。
だが、従兵達の各地への侵攻は繰り返されるごとに激しさを増し、凄惨な地獄と化した世界は、櫂人に残酷な選択を突きつける。
「今一度問おう―――セナ・カイトには、エリザベート・レ・ファニュを殺せるのか?」
綾里けいし×鵜飼沙樹で贈る今最も熱いダークファンタジー第六弾。
話をしよう。
これは恋の物語ではない。
憧れと愚行と、幸福な愛の物語だ。
多くを語るも烏滸がましい。ひとえにこれは、あらすじにある通り「憧れと愚行と、幸福な愛の物語」なのだ。
だからこそ、物語はラストシーンへと集約される。
何者でもなく無意味でしか無く、この世界においてはそもそも存在すらしなかった少年であるところの瀬名櫂人が。この世界に何の責も負も原罪も持たぬ彼が、ただその憧れを以ってして誰にも出来ない愚行を成し遂げる物語だ。だからこそ、これは愚鈍なる従者である彼の物語であり、彼とともに在るお嫁さんの、二人の物語だ。二人だけの物語なのだ。
ほかはみんな、置いていかれてしまった。彼が大好きだった者たちは、彼を好いた者たちは、みんな置いていかれてしまったのだ。伸ばした手を優しく振りほどかれて、祝福の言葉を送られて、その果て見送るしかなかったのだ。カイトとヒナが、幸せになるのを見上げるしかなかったのだ。
それは他でもない、エリザベート・レ・ファニュですら例外なく。カイトとエリザベートの二人の最後の語らいが、お互いにこの上なく本音を曝け出しあった別れが、エリザベートを優しく包み込み、突き放す。
彼女は独り。ひとり。永遠に自らの傍に居続けるであろう最愛の二人に、逢えることはない。それでもきっと、これは、セナ・カイトの物語は善き結末だったのだ。

ここで、終わるなら、ね?

確信する。
綾里けいし先生をこそが、脳内に地獄を飼っているに違いない。
ここまで! ここまで! ここまでやっておきながら。世界を破滅においやっておきながら。彼と彼女に祝福を、拷問姫に寂しい安息を、世界に救いを与えておきながら。
なおも、ここで、そう言い放つのですか!! 後書きの最後の宣言に、文字通り震え上がり、心底恐怖させられた。これほど凶悪にして最悪にして、強烈なる一文がそう簡単に顕在できようものなのか。悪鬼羅刹の所業である。恐ろしや恐ろしや、もっとやれ。
まさに、ここからこそが、「彼女」の物語に相応しい舞台。相応しい有り様。相応しい惨状!!
「異世界拷問姫」の物語の開幕である!!

あとそれはそれとして、うちのジャンヌが恋愛脳になりすぎなんですけど。どうしてこうなったww

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