可愛ければ変態でも好きになってくれますか? 3 (MF文庫J)

【可愛ければ変態でも好きになってくれますか?3】 花間燈/sune MF文庫J

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Kindle B☆W

夏だ! 水着だ! 変態だ~!?
様子がおかしい紗雪先輩をどうにかしたり唯花に弱みを握られたりと、いつものように変態な日々を送っているうちに、
学生が一年で一番待ちわびている夏休みがいよいよ到来!

思い思いの夏休みなイベントを過ごす書道部の面々。
とあるきっかけで優待券を手に入れ、皆で隣町のプールに遊びに行くことに。
――ということはみんなの水着姿が拝める!?
ひゃっほう! 待望のテコ入れ回だぜ! え、いつもテコ入れしてるって……?

怒涛のメディアミックス展開も始まった新感覚の変態湧いてくる系ラブコメ、まだまだ勢いが止まらない第三巻!

変態でも可愛ければ好きになれると思うけれどね、女の子でもパンツ盗んでったら窃盗だからね。相手が男の子のパンツでも持って帰っちゃったら犯罪だからね!
おパンツお持ち帰り事案は普通にアウトだと思うのだけれど、慧輝くんそのあたり寛容というか鈍感というか全く怒らないところなんぞ、主人公からしてマトモじゃないんですよね。
そもそも彼って、彼女らの変態的な性質に対して毛ほども動揺を示していないんですよ、実質。一応困っている素振りは見せているものの、悩んでいるわけではないのだ。ぶっちゃけ、殆ど気にしていないようにしか見えない。何を気にしているかというと、誰がかの「シンデレラ」か、という点のみで彼女たちの変態性についてはちょっとめずらしい個性ぐらいにしか認識してないんじゃないだろうか。
彼のヌルんとしたリアクションこそ、本作の特質なのかもしれない。その掴みどころのないリアクションのせいで、どうも紗雪先輩も唯花も手応えのなさにどこまでやってしまっていいものかわからなくなって、若干迷走しているというか暴走しているというか、自身の変態性の暴露と乙女心の制御をミスってるフシもあるんですよね。自分たちでもわけわからん勢いに乗ってしまっているようにみえる。
その点、自分の乙女心、恋心をきちんと一番把握しているのが真緒のようなのだけれど、こいつはこいつで真性のヘタレであるようだ。BL趣味は完全におまけというか、逃げの理由にしてしまっているぽいし、あれだけお膳立て揃っている状況で何にもできないあたり、どう転んでもその他扱いになってしまうだろう、これじゃあ。
そんな一種の停滞というかなあなあの状況に陥り、みんながそれに甘んじだしてしまったときに、とんでもない一撃必殺の滅殺技を打ち込んできたのが、一巻から沈黙を護っていた真ヒロインである。
まさかの、本物のシンデレラ登場である。
……あれ? これもうお話終わりでいいんじゃない? 相思相愛だし、望みうる最高のヒロインだし、文句つけようないんじゃない? はい、しゅーりょー。ハッピーエンドでした、おめでとう、わーパチパチ……となっても不思議じゃないんですけど、物語はまだ続くのである。
いやもうほんとに、いいんじゃない、これで?

シリーズ感想